2019年10月31日木曜日

車社会マレーシアの巨大モールに登場する”スマートパーキング”とは?



車社会マレーシアの巨大モールSunway Pyramidが来年2020年から正式導入するスマートパーキング。


既に多くのモールではTouch n GoというSuicaのようなカードをかざすとキャッシュレスでの出入りが可能ですが、スマートパーキングになると出入りの際にいちいち窓を空けてカードをかざす手間さえも不要となります。


アプリに車のナンバープレートや支払い情報を登録、あとはパーキング入り口でナンバープレートを認識してくれるので自動でゲートが開くというシンプルな仕組みです。
これは興味深いデータベースになりそうです。


これで買い物途中にパーキングチケットを紛失して大騒ぎになることもなく、駐車料金の精算機の前で列に並ぶ必要もなくなることで、よりスマートに時短をしたい人には朗報です。


様々な選択肢が用意されているマレーシア

マレーシアの良いところは、それぞれの事情に併せて選べる選択肢が複数提供されているところだと思います。

つまり、昨日まであった精算機が突然撤去されて強制的にスマートパーキングのアプリに登録を強いられることはありませんので、現金派の人は今まで通り精算機での支払いが可能です。







便利な選択肢が提供され、自由に選べる世の中って素敵ですね。
年齢の中央値が28歳という国民の年齢が若いマレーシアならではの柔軟な発想によるものだと思います。


マレーシアのショッピングモールの進化はまだまだ続きます。
これからもマレーシアのショッピングモールを見まくって生き字引のような立ち位置をキープして参りたいと思います。


お読みいただきありがとうございます。

2019年5月21日火曜日

断食を解く食事イフタールに招かれて感じた”多様性”とは何か!?


昨夜はムスリム(イスラム教徒)の友人から
手料理でイフタールディナーをするのでと自宅にお招き頂きました。

ここマレーシアでは、今年は来月6月4日までがラマダンです。
ムスリムの皆さんは日の出から日没までの間、飲み物と食べ物の一切を絶ち断食しています。


食事の喜びを分かち合うのがイフタール

その断食を解く食事を『イフタール(Iftar)』と言い、
日没まで頑張って断食した後に食事の喜びを皆で分かち合う食事なのです。


初めて見るものも多く、目にも楽しい食事でした。
一番印象的だったのがブルーライス!文字通り青いご飯です。

一瞬ギョッとしましたが聞くと自然そものので健康的なご飯です。
お米に青い花びらの花を入れて一緒に炊くので炊きあがったご飯が青くなる訳です。


他には、黄緑色の大きな唐辛子の中にココナッツを詰めて炊いたおかず、
ドライ納豆的なテンペという発酵大豆のおかずや、お魚、チキン、カレー、などなど。

友人の心のこもった美味しくて優しいお料理にすっかり癒やされました。

初めて訪ねたご自宅で撮影しまくるのも失礼かと、、、
お料理の写真が、、、ありません。ごめんなさい!m(_ _)m

ここまでは前置きです。(ちょっと長かったですか?スミマセン!)


その食事を誰と食べたのか、それが今日の本題!

ムスリムの友人からのお誘いなのだからと、
ムスリムの中に日本人の私が一人入るパターンを想像してた私の予想は全くハズレました。

実態は多様性そのもの。
マレーシア、シンガポール、オーストラリア、メキシコ、ウズベキスタン、日本(私)の6カ国!

8人で6カ国もの国籍が混じり合うディナーって。。。日本ではほぼありませんよね。

日本にいたらオーストラリア人には会えるとしてもメキシコの人や、ウズベキスタンの人に会う機会はそうそうないので、とても良い刺激でした。


ということで、ウズベキスタンってどんな国?場所は?!
帰って早速地図で確認。(実は正確な場所を知らなかった。)
ウズベキスタンの彼に東欧かと質問したら、中央アジアだよ、と即否定された意味が地図を見て納得です。


日本人の場合は、日本から来た日本人なので(当たり前か、、)出身国と国籍が一致しますよね。
でも、こちらにいるとそうでもありません。

国籍というのはどの国のパスポートを持っているかということに過ぎず、
だからと言ってそれがその人の出身国とは限らなかったりする訳です。



何人(なにじん)ってなんだろう?


話は脱線しますが、例えば私の今住んでいるクアラルンプールの自宅の大家さん。
大家さんの国籍はオランダ、ですが出身はインドネシアです。

日本人的に言うとインドネシア人だけど(今は)オランダ人、それでマレーシア在住、みたいな表現になります。


こんな感じの人がゴロゴロいるので、もはやここまで来るともうその人が何人(なにじん)とか、どこ生まれとか全く関係なくなるというか、気にならなくなります。


感覚的には、『みんないっしょの地球人♪』(たまに宇宙人もいたりして笑)という感じでしょうか。
そしてこの感覚で人と触れ合うと、そこにはとても平和な世界が待っているような気がするのです。


日本に生まれ日本で育ち、たまたまマレーシアが長い私ですらこの感覚ですから、
海外で生まれ多様性の中で育った子供たちは生まれながらにしてこの感覚なのではと思います。



多様性の波は日本にいても必ず来る。いやもう来ている。


話はもとに戻って、そのディナーでの話題。

8人で6カ国ですが、2人はソファでくつろいでいたので、食事のテーブルは6人で6カ国という状態。
初対面が多くてバラバラの6人ですから、自ずと一般的な話題になります。

彼らは普通に新しい天皇になって元号変わったことも知っていました。
そして、日本が働き方改革を進めていることっも知っていたのに対して、
自分はメキシコやウズベキスタン、オーストラリアのことをほとんど知らないではないか!
(なんてことだろう。)


たった数時間で色んなことを感じた昨日。


日本のことをもっときちんと話せるようにしたいと思ったのと、
自分も他国の話題に普段から関心を持っていなければ、
いざというときに話題に困るというのを実感した、といのが正直なところです。


多様性の波は日本にいても来る(来ている)と思います。
外国からの労働者受け入れや、インバウンドで多くの外国人が来るようになると、
自ずと相手国のことを知る必要があり、それが互いの理解に繋がりますね。



個としての身近な体験から国を超えた会話や理解が進む

今回初めてウズベキスタンの人に会い、たった数時間話しただけで、知らない国に興味が湧き、
いろいろ調べるという行動をしている自分がいました。


こんな風に個としての体験が興味や行動に繋がり、
そこから更なる会話や理解が進むことが世界が平和になる小さな第一歩なのではと思った次第です。


【メモ:ウズベキスタン共和国】
1.地図で場所を確認し東欧ではなく中央アジアだと知る。
2.マレーシア人がマレー語と英語を話せるが如くウズベキスタンはウズベク語とロシア語を話すこと。
3.日本の2割増しの面積の国土に日本の約4分の1(約3200万人)の人口がいる
4.人口の9割がムスリム。
5.一人あたりGDP1263ドル(世界第159位)
6.産業:世界第7位の金産出国。天然ガスや石油の輸出国。


貴重な機会にご招待いただいた友人に感謝です。

ありがとうございます。











2019年2月26日火曜日

注目!マレーシア発 フードデリバリーのスタートアップdahmakan



先日たまたた打ち合わせの席で聞かれ、dahmakanの事をお伝えしたことがありました。
個人的に3年程前から注目しているマレーシアのフードデリバリーのスタートアップです。

しばらくご無沙汰だったこともあり、人に教えたからには即行動!

最新の情報に自分もアップデートしておこう、と言うことで早速ランチを注文しました。
美味しく完食したところで、久しぶりにブログを投稿します。




実は、あのスタートアップ養成ブートキャンプ”Yコンビネータ”に参加した企業
 (*Yコンビネータとは:米国カリフォルニア州のスタートアップアクセラレーター)

【 dahmakan 】
・設立 2014年 
・創業者 Jonathan Weins (CEO),  Jessica Li (COO), Christian Edelmann (CTO)
・資金調達 シード:130万ドル (2017年2月/約1.4億円)
      プレシリーズA:260万ドル(2018年1月/約2.9億円)
・主な資金提供者 
 アジアベンチャーグループ、グルパラベンチャーズ、テキサスアトランティックキャピタル、
 NFQキャピタル、Apaxパートナーズ、Atamiキャピタル、イーストベンチャーズ、Yコンビネータ 
・時価総額は調べきれず(わかったら更新しておきます)


なるほどですね。見る度にサイトもフードもどんどん洗練されて行っているのは、VCやアクセラレーターの後ろ盾があってのことなんですね。

元フードパンダのエグゼクティブだった3人によって設立のこの会社は
2017年2月に130万ドル(約1.4億円)を調達し、同年夏のYコンビネータにマレーシアのスタートアップとして初参加。

その後2018年にプレシリーズA調達をYコンビネータを含む数社から得ています。
そして、タイのPolpaを買収するなどアジアでの足固めを進めています。

2019年の今日、一気に東南アジアを中心にスケールするのはもうすぐかも知れません。



【参考記事】
 DAHMAKAN RAISEA US$2.6MIL, PREPARES FOR MARKET EXPANSION

 Y Combinatorが支援するマレーシアのフードデリバリスタートアップDahmakan、

 急成長するタイ市場参入に向け現地競合のPolpaを買収


 PitchBook(企業データ)
 https://pitchbook.com/profiles/company/103971-97



とにかく美味しい!当たり前にエコ、そしてオシャレ。

肝心の味はというと、美味しい!の一言。
これまでに何度かdahmakanは食べていますが、完食した記憶しかないのです。
また不味かった記憶もありません。


かわいい!帯の中に箸箱を装着するので入れ忘れると帯がゆるゆるになるからすぐにわかります。
入れ忘れ防止にも役立つデザイン。

Aというのが種類別なんですね。これを見るとBもCも見てみたくなるのは私だけでしょうか。

パッケージは全てのメニューに共通。帯と箸箱(スプーン&フォーク入れ)のデザインに変化をつけることで、
メニューの違いを識別する仕組み。スプーンとフォーク以外は全て燃やせるゴミ。


プロモーション価格RM13.9(約375円)のKam Heong Chicken。
生姜とスパイスの効いたご飯がススム系のしっかりした味付けで完食。



日本との違いは主に3つ
『日替わりメニュー・13日後までの予約・配送時間帯候補の中から選択』

日本のフードデリバリーとの大きな違いは、13日先までのメーニューがサイト上でランチとディナー別々に画像と詳細で記載されており、好きな日時の注文を前もってできる点。

日本のようにいつでもデリバリーしてもらえると言うのではなく、一般メンバーの場合、dahmakan側が予め用意した1時間毎に区切られた時間枠の中から届けて欲しい時間帯を選ぶという仕組みです。
これによってAIがデリバリーの最適化を図り効率の良い配送計画を立てられるということです。

・ランチの配送 :10:45AM ~ 2:45PM
・ディナーの配送:  4:30PM ~ 9:30PM


また、しばらく変わっていない半定番メニューがある一方で、2~3日位の日替わりメニューもあるのでいつサイトを訪問しても新しい発見がある点も違います。
そして人気のメニューはどんどんSOLD OUTになるので、急がないとという決断を迫られる購買体験の楽しさも提供しています。



サイトの使い勝手もよく、疑問はチャットで即解決、ストレスなし

dahmakanのトップページ

13日先まで注文が可能。ミニマムオーダーなし。1個から注文できます。



さらに下の階層へ。質問があれば左下のチャットですぐにやり取り可能。日本ではまだまだのチャット対応も快適に利用できて、チャットボットがものすごい速さで答えます。これならストレスありませんね。


因みにチャットボットが対応できない質問は人が担当。そのやり取りは終了後メールで送られてくるので、メモを取り忘れても安心です。


配達後にサイトへ初めて訪れた時点でフィードバックを求めるメッセージがサイト上部に出てきます。
緑色のところ "How was your experience?"、星をクリックするとさらに下の階層に飛びます↓


オーダーした2つの商品についてそれぞれフィードバックを求めら、星数をクリックすると更に細かい選択肢とコメント記入欄が出てきます。
3つ目はデリバリーとライダーについて、時間通りに届いたか、ライダーはフレンドリーだったか、プロフェッショナルだったか等の質問とコメント記入欄が出る仕組み。


フィードバックを終えるとリワードが出てきます。Facebook, WhatsApp, メッセンジャーに対応。
お友達にシェアすれば自分と友達の両方がRM10(約270円)ずつもらえる仕組みです。



優良顧客への囲い込みはプライム会員への誘導で実施 "dahmakan Prime"

トップページ右上にある自分の名前の隣という目につく場所にあるPrimeの文字。
Amazon未上陸のマレーシア人には馴染みがないと思いますが、Amazonプライムをご存知なら何となくどんな質感かイメージできますね。

dahmakanのプライムはAmazonプライムとは全く違いますが、優良顧客の囲い込み施策であることに違いはありません。


【dahmakanプライム:3つの特長】

 1.購入するプライム額に応じて1ディッシュあたり最大31%割引が受けられる。
 2.通常配送時間指定枠は1時間毎なのに対し、プライムは30分刻みの時間枠から選択可能。
 3.配送保証:指定時間から20分以上遅延した場合は1回無料のプロモーションコードがメールで届く。


プライムの3つの特長が列記されている


プライム10(10食RM209:1食あたり約565円)、プライム20(20食RM399:1食あたり約538円)、
プライム50(50食RM949:1食あたり約512円)


常設のプライムは10,20,50の3種類。
これに加えて新規顧客向けに特別に「プライム5」という5食でRM99(1食あたり約534円)のプライム50よりお得なオファーがサイトのトップに表示され、これでもかとう積極的な囲い込みをしています。

プライム使用の期限がないのでハードルが低く5回分位なら気軽にプライム5を注文できるという訳です。




コーポレートイベントで食事を提供するマレーシアでは重要なB2B対応


マレーシアは終日の会議に招かれると、朝食、昼前のブレイク、ランチ、午後のティーブレイク、ディナーと軽食を含む食事を5回くらい提供する文化があります。

そのため、マレーシアでフードデリバリー事業を行う場合、コーポレートランチ等の大量オーダー対応というのは戦略上非常に重要です。

一見サイトはB2Cに見えますが、よく見るとプライム横の目立つ位置にビジネス需要に対応する入口があり、下の階層に進むとマレーシアのメガバンクRHBや政府系ファンドのカザナ・ナショナル、グラブやペイパル、LAZADAなどのカンパニーロゴと共に、カンパニーイベントで800食以上を注文したペイパルの担当者のコメントが記載されています。

企業の担当者がサイトを訪れたときに安心して問い合わせが出来る作りになっているということですね。


サイドオーダーで注文したVegetarian Baked Mac & Cheese(RM8.9/約240円)
注文した理由は、Macってなんだろう?と思ったからです。(笑)


食べて納得、マカロニグラタンでした。Macはマカロニなんですね。
マレーシアに長くいてもまだまだ知らないことがたくさん!
サイドオーダーのボックスは通常メニューと比べて一回り小さめ



技術面では、Dahmakanは物流とAIに投資してDahmakan Intelligent Operator System(DIOS)を創設したということですので、これからさらにどんなカスタマーエクスペリエンスが提供されるのかが楽しみです。


今後も注目し続け、変化があればまたブログに投稿します!
今日もお読み頂いてありがとうございます。


tastier, better, simpler.
よりおいしく、より良く、よりシンプルに!が理念



2018年9月24日月曜日

タオバオがマレーシアへの越境ECで宣戦布告?相手はあの世界的有名企業!


前回は越境ECでマレーシアから中国へ販売するEC人材育成の話でしたが、
今日はタオバオが越境ECでマレーシア人に販売する話です。


 ※前回のブログ『アリババビジネススクールが提供するグローバルコースとは?』



タオバオとしてはマレーシア人が越境ECでマレーシア製品の販売で成功するだけでなく、
マレーシアの消費者が越境でタオバオからもっとモノを買って欲しいところ。

実際、華人系マレーシア人は北京語が出来るので言葉の壁が全く無いこともあり、
タオバオや天猫(Tモール)から越境で買い物している人も少なくありません。


ブキビンタンで足元に気になるサインを発見!
どうやらサインはLOT10に向かっているようです

結構なインパクトのこの人たち。
ロゴ入りTシャツを来てロゴ入り風船を主に子供連れを中心に配布


2018年9月20日から22日の3日間、
クアラルンプールの繁華街ブキビンタンのLot10で大々的にタオバオホームと銘打ったイベントがありました。

アリババビジネススクールでマレーシアのEC人材育成の講義をした翌週のタイミングですから、
今度はしっかり自国の商品をプロモーションというのも流石です。


ブキビンタンの角にいきなり登場した謎のボックス。
気になる!ドアが開いている、中を覗いてみよう。。

taobao HOME。部屋そのものが歩道に登場というわけです。


マレーシアをしっかり研究した上でカスタマイズされたイベント
このイベントの商品領域は、マレーシア人が今最も関心のあると言っても過言ではない『ホームファニシング』。マーケティングをしっかりした上のジャンル設定ということになります。

実際に使ってみなければ品質や耐久性についてはわかりませんが、おしゃれなデザインの物が手軽な価格で提供されています。

この価格とデザインは、今マレーシアで絶大な人気を誇り集客しているIKEAに宣戦布告、本気の真っ向勝負を挑んでいるようにも見えます。


フランク・ロイド・ライト風・・木製棚
価格は中国元とマレーシア・リンギットの2つを表示。
RMB418/RM255(約7000円)

マレーシア人が好きそうなウッドと遊び心のある色との組み合わせ。
もちろんQRコードからすぐに購入画面に入れます。
RMB318/RM194(約5300円)


単なる案内に留まらない期間限定の買物体験イベント
登録がまだの人にはタオバオLITEのアプリダウンロートと登録を促進し、新規登録者には20元(328円)
相当のバウチャーを提供。

その場で家具を購入を完了した人には、バウチャーや賞品がもらえるゲームに参加出来るなど楽しい要素も組み込まれています。

そして目玉はなんと言っても送料無料!
通常は1キロあたり22リンギット(約600円)する送料が期間限定で無料なので、大きなものでも臆せず購入に踏み切れるようにしていた点は、まずは採算度外視でシェアを獲得するという意図が垣間見えます。

因みにIKEAマレーシアの配送料はマレーシア半島内宅配でRM40(約1100円)、トラック配送がエリアによってRM98から(約2700円)なので十分競争できそうです。

参考:【IKEAマレーシアの配送料】


Lot10内のイベント会場
タオバオホームのTシャツを来たスタッフが親切にサポート。

また、不明点があれば、大量に投入された若いデジタルネイティブのスタッフに待ち時間なくすぐに聞けるので全くストレス無しです。

しかもよく教育されていて「何かまたわからないことがあれば、また気軽に声掛けて下さいね」とニッコリ親切なのも好感度抜群です。

今まで越境ECで買うことをイメージしにくかった家具類。
それが手軽に買えて自宅に届いてしまうという体験を促進、案内だけに留まらずクロージングまでがしっかり組み込まれたこのような買物体験イベントは、優良顧客を育てるのに欠かせない道筋だと思います。


限られたイベントスペースではマレーシア人が今欲しいものだけを絞り込んで展示し
越境ECで販売。家具だけではなくキッチン用品もありました。
マレーシアローカルの意見が反映されているのが随所に見える商品セレクト。

当日購入者には賞品がもらえる楽しいゲームも。
お父さん、娘さんの前で必死に頑張っています!


誰がターゲットかが一目瞭然
このイベントはバナーからチラシまで全て中国語表記。だからと言って中国で使用しているものをそのまま配布しているのではなく全てマレーシアのこのイベントのために作られたものです。

越境ECのサイト自体が中国語表記なのに合わせてこうなったのだと思いますが、マレーシアの人口の25%にあたる華人系をターゲットにしていることが一目瞭然です。

まずは言葉の壁がなく、マレーシアの中で他の民族と比較して可処分所得が高いと言われる華人系からIKEAのシェアを切り崩そうという戦略なのかも知れません。

いずれにせよ、タオバオホームをきっかけにタオバオLITEで買物したマレーシア人が、その後タオバオ、
TモールとEC買物体験の場を拡大していくことは容易に考えられるので、そこを見越したイベントということになります。



こちらもマレーシアで人気のフードトラック風ワゴン。
今日の思い出を撮影し記念写真をプリントアウト。

予算投下が大々的。タオバオのオレンジ色で全館をジャック!
1階のタオバオホームのイベントを上層階まで続くエスカレーター脇で告知、
商業施設内のどこにいてもこのイベントが目に入る仕掛けです。


世界的にも有名な家具の産地マレーシアで繰り広げられるバトルの行方に注目
実はマレーシアは家具工場ばかりの工業団地の街があり、ニトリも調達拠点を置くなど、古くから家具の生産地として世界的に有名です。

OEM生産者が自社ブランド化してそれを業態化しようと思えば出来たはずのマレーシア。
そこにホームファニシングの”業態”として上陸し確固たる地位を築いているIKEA、そこに着目してホームファニシングを入口に市場を切り崩しに来た大陸の雄タオバオ、この先も様々な視点で注目してまります。


誰がターゲットかが一目瞭然。マレーシアのイベント用に作られた中国語表記のチラシ。


2018年9月17日月曜日

アリババビジネススクールが提供するグローバルコースとは!?


マレーシア政府が強力に推進しているデジタル・エコノミー。
2018年9月13日から3日間セランゴール州の主催でセランゴール・スマートシティ&デジタル・エコノミー・コンベンション2018』が開催されました。

会場はマレーシア最大のコンベンションセンター
『Malaysia International Trade and Exhibition Centre』
巨大すぎて全体を撮影できません

国が目指す方向を州が踏襲し、州主催でこのようなイベントがあるマレーシア。
セランゴール州はスタートアップ支援のアクセラレータプログラムも実施しており、
コンベンションではスタートアップ企業のピッチコンテストも行われました。


中国から来たアリババの人から直接学べるアリババビジネススクール:グローバルコースを受講
マレーシアの今を客観的に把握するためにも良い機会なので2日目の午前9時から終日行われたアリババビジネススクールのグローバルコースに参加して参りました。

二次情報を伝え聞くセミナーではなく中国本土から来たアリババの人から直接一次情報にアクセスできるマレーアはとても恵まれた環境だと言えます。

私は直接ECに関与している訳ではありませんが気になるものは要チェック、マレーシアのECは日本の数年後ろを追っていますが、それをどんな風にアリババがここマレーシアで伝えるのかは興味津々です。




アリババグループは2017年3月に、マレーシアのDFTZ( Disital Free Trade Zone 電子自由貿易地域)の一部として クアラルンプールに世界電子貿易プラットフォームeWTP(Electronic World Trade Platform)として初のe-hub(eハブ)を設立

買収してグループ企業となったEC企業のLazada(ラザダ) ハイテクロジスティックスのCAINIAO(菜鸟などでECを支援し更には杭州の越境EC総合自由貿易地域と繫いで効率化を目指すというニュースがありました。

それを加速するためにアリババビジネススクール、Taobao University(淘宝大学)が直接マレーシアで人材育成をするという素晴らしい機会が提供される訳です。  



アリババグループの概要はわかっていたつもりでしたが、ぞれの内容を事例も含めて一括して聞くことができ、そのエコシステムの全体像が理解できたのがよかったです。



マレーシアでも展開のロボットを駆使したハイテクロジスティックのCAINIAO()、個人の信用を数値化したZhima credit(芝麻信用)やチームコラボアプリDingTalk(釘釘)に至るまで、巨大市場中国だからこそ生まれたテクノロジーを駆使した様々なサービスには唸るものもありました。


農村部に至るまでクラウドで貸し付け、アントマイクロローン
個人の信用を数値化したことで取引の健全化に寄与しているZhima credit(芝麻信用)


特に重さ500KGまで運搬可能なQuicktron(自走式モバイルロボット)が倉庫内を忙しく動き回るCAINIAOの動画は百聞は一見に如かずのインパクトでした。(下記YouTubeを参照)


越境ECによる一帯一路経済圏もしっかりアピール

CAINIAOの物流技術革新

マレーシアの会議スタイルは朝食とランチがついているのが一般的
マレーシアの会議は朝食とランチが込みというのが一般的。
今回のランチはビッフェ形式で
前菜、メイン、フルーツ、デザート、コーヒーに至るまで十分すぎる種類から選択できます


タオバオ大学の講師による4時間半ノンストップの熱い講義
午後はTaobao University(淘宝大学)の中国人講師2名が約2時間ずつ合計4時間半を一度も休憩なしで
ノンストップで講義。まさに中国の勢いそのもの!エネルギッシュな講義でした。

通常午後にリフレッシュメントという軽食とお茶の休憩を挟むマレーシアの会議に慣れているマレーシア人にはかなりタフだったと思います。

何よりも私はキンキンに冷え切った会場に長時間いたので長袖とひざ掛けくらいでは全く足りず、芯から冷え切りました。次回は真剣にダウンのコート持参で行こうと思います。


タオバオ大学の講師1人目。英語の同時通訳さん泣かせの超早口の北京語でした。
終始笑顔のLiu先生。


内容はコンテンツマーケティング、KOL、ファン経済についてだったので日本人の私には懐かしい感じもしましたが、改めて聞くと新鮮でした。




そしてこの国はそれに加えてライブ動画マーケティングが同時に一気に入ってくることを思うと、
段階を経ないで一気に加速するASEAN特有の広がり方がイメージできます。



マレーシアのリアル店舗の進化に期待
このコンテンツマーケティングの考え方をこの国の人が理解すれば、リアル店舗での売り方も単品主体の売り方からよりストーリーやシーンコーディネートを見せた売り方に進化するのではと期待が膨らむところです。


タオバオ大学の講師2人目はWang先生。
こちらも終始笑顔で笑いを取りつつ素晴らしい講義でした。

2017年の双11(Global Shopping Festival)24時間で51億円を稼いだインターネットセレブ


このレクチャーは全て北京語(英語同時通訳)という事前の告知があったからか、参加者の95%は華人系マレーシア人。

英語の同時通訳機は沢山用意がありましたが、見ている限り私を含め30台弱しか貸し出されておらず、
参加者約500名のほとんどがダイレクトに北京語で聴けるというのもマレーシアならでは。日本ではあり得ない羨ましい状況です。

個人的には英語の表現を中国語でどう書くか、中国語単語をいくつか覚えるというオプションも楽しみながら聴くことができました。


引き続きタオバオ大学より10月に開催されるInternet Business New Marketing Program
の案内へは会場からQRコードですぐにリンク出来る手軽さ



一貫性のあるコンベンション運営
日本ではデジタルと名のつくコンベンションの受付が印刷した紙のリストに人力でチェックを入れる、
手書きの登録用紙と名刺を受付で回収される、という様なことがまだまだあります。

こちらマレーシアでは事前にメールが届いてコンベンション専用のアプリをモバイルにダウンロードしてから参加するようにとの指示、そのアプリ内My Passを開いて自分のQRコードを見せればすぐに受け付け終了です。


コンベンション専用のアプリ

専用アプリのメニュー構成
上から順番に、[Home], [Speakers], [Sponsors], [Passport], [Location], [My Pass (QRコード)], [About(コンベンション説明)], [Announcements(当日の時間変更、急な告知事項)], [Social Media(Facebookイベントページ)], [Share Event(各種SNSへのシェアにリンク) ]



コンベンションのタイムスケジュールや開催ホールの案内、スピーカーの詳細、当日の連絡事項なども全てアプリ上にリアルタイムに反映されているので、とても便利。
もちろん、アプリからSNSへのシェアボタンも付いています。



スピーカーの詳細が個人名をクリックすると出てくるようになっています

アナウンスメントというメニューには当日の微妙な時間調整などの連絡事項がずらり。
フレキシブルにどんどん情報が更新されるので実際これはとても助かりました。


日本にいるとマレーシアが日本から学ぶことがあっても、日本がマレーシアに学ぶことなんてあるの?
という反応に時々出会いますが、実はそうでない部分も多くこのアプリのようにコンベンションの内容との一貫性が非常にある点など日本が見習うべきところは沢山あります。



こういったコンベンションを州政府および州政府関係機関が主催するマレーシアの本気度はますます目が離せません。

当日のタイムスケジュール