2013年10月31日木曜日

意外な1つに集中して海外進出しているPADINIの出店戦略 【ブランド編】


PADINIグループの2012年6月期の全店舗数は344店舗。
そのうち81店舗が海外。

しかし、中国市場は狙わずに中東とASEANに絞り込んだ戦略は日本人からすると一見ユニークというお話を 
PADINIの出店戦略にはなるほど!と思うところが色々あるのです【エリア編】」 でしました。


その海外81店舗のブランドが気になるところですが、実は1ブランドだけなのです。

しかも基幹ブランドのPADINI(アパレル)ではありません。


彼らはアパレルではなく婦人靴&バッグブランドのVINCCIのみで海外に進出しています。

ではなぜアパレルではなく靴とバッグで進出したのでしょうか?




ヒントは進出先の中東にあり!

イスラム国ばかりの中東ではマレーシア以上に戒律が厳しい国が多く、
女性は外出する時はアバヤと呼ばれる黒い服で全身を覆わなければなりません。

アバヤと呼ばれる黒服に身を包んだ中東からの観光客(右)


もちろん、アバヤの下には色鮮やかな洋服を着ていますが、
外で友達に会った時にそれを友達に見せることは許されません。


でも、靴とバッグは別!


女性同士が外で会っても
足元はどんな靴を履いているかチラリと見えますし、バッグは普通に持って歩きます。

「靴とバッグ」は、イスラム教徒の女性が自分らしさを外で表現する数少ないアイテムなのです。

そんな事情もあって、アパレルではなく靴とバッグの1ブランド(VINCCI)に絞ったのではないかとマーケティング発想で想像します。



Vincci Ladies’Specialties Centre SBの業績
(左:20126月期IR、右:2013年6月期監査前速報 出典はBloomberg Businessweek 2013828日付)

売上 RM227.8百万(約68.3億円) → RM223.7百万(約67.1億円)

税引前利益 RM40.9百万(約12.3億円) → RM29.5百万(約8.9億円)

2012年度に18%あった税引前利益率が2013年度の速報値では13%にまで落ち込んでいるのが気になりますね。。

マレーシア商業マーケティング通信では、今後も引き続きこの企業に注目していきます。


2013年10月30日水曜日

PADINIの出店戦略にはなるほど!と思う点が色々あるのです 【エリア編】


マレーシアのファッションブランドPADINI
1971年に百貨店向け婦人服の製造卸で小さなビジネスからスタートした会社です。

多くのアジアブランドが欧米ブランドの製造工場からスタートしてノウハウを吸収し、
その後オリジナルブランドを打ち立てて独立拡大して行ったように、
PADINIIも最初は他社に製品を提供する製造工場が原点でした。

創業後数年でPADINI(アパレル)を、10年でVINCCI(靴&バッグ)などのオリジナルブランドを打ち立て、
卸から徐々に小売に参入し製造小売業にシフトしていった会社です。



マハテール元首相が唱えた東方政策(Look East Policy)が1981年ですから、
このブランドはマレーシアの成長と共に時代の流れに乗って成長してきたブランドだといえます。

1992年に最初の単独ブランド店舗をオープンしたのを皮切りにブランドを横展開で拡充
98年に株式第二部に上場、その後2004年に一部上場を果たしました。
海外事業への参入は、最も近場のブルネイからスタートし、積極的に進出しています。


選択と集中が明確な海外出店戦略
中国ではなく中東へ。ASEANと中東に絞込みながらも、既に新興国にも出店というしたたかさ

PADINIグループの全店舗数20126月期)

  • マレーシア国内 263店舗
  • 海 外  81店舗

総店舗数の24%が海外ということになりますので、海外もしっかり重視しているのがわかります。

海外81店舗の内訳20126月期)
  • タイ 16店舗
  • その他ASEAN 14店舗(※ミャンマー1店舗、カンボジア2店舗含む
  • ASEAN合計 30店舗
  • サウジアラビア 24店舗
  • UAE 13店舗
  • オマーン 2店舗
  • シリア 3店舗
  • カタール 2店舗
  • バーレーン 2店舗
  • パキスタン 2店舗(現在3店舗)
  • エジプト 1店舗
  • モロッコ 2店舗
  • 中東・北アフリカ合計 51店舗


マレーシアの人口は2855万人です。
いくら経済が堅調で2020年に先進国入りを宣言していて、人口ピラミッドがきれいな三角形で将来的な人口増加も見込めるとしても、現在は日本の22%しか人口が居ないのですから、
マーケットを拡大するには外に出て行くという選択肢になります。

注目すべきはその出店エリア。
PADINI HOLDIONGSのエグゼクティブダイレクター(役員)は全員華人系ですから、コミュニケーションを考えた場合、中国という選択肢が真っ先に浮かぶはずですが、彼らは中国市場を選びませんでした。
彼らはなぜ中国に行かなかったのでしょう。

彼らが選んだ先はASEANと中東です。でもこれはマレーシアに居ると自然な感覚。
マレーシアを同じイスラム国家の中東市場へのハブとして位置づけた場合、中東に進出するのは納得ですね。


マレーシアは中東諸国向けのショーケースという考え方
マレーシアは中東からの観光客やビジネスマンも多いので、
実際の距離よりもマインドディスタンス(心理的距離)はとても近い関係にあります。

イスラム様式の建築も多いマレーシア


世界地図を日本を中心に見るのではなくマレーシアを中心に見ると一目瞭然ですよね。
中東諸国がぐっと視界に入ってきますから。
これは日本を中心に世界地図を眺めているのではわからない感覚です。
そして、中東の先にはアフリカとヨーロッパが!見えてくるのです。

エジプトをモチーフにした
クアラルンプール郊外の商業施設
SUNWAY ピラミッド

2013年10月27日日曜日

マレーシアファッションを牽引する「PADINI」とは?


マレーシアにはPADINIというファッショングループがあります。
メイド イン マレーシアの製造小売業(SPA)です。

基幹ブランドのPADINIを柱に現在10ブランドを擁し、
主な商業施設には必ず入っているマレーシアで人気の超有名ブランドです。


記事 「マレーシアブランドの価値ランキング。その顔ぶれは?」 http://malaysiacommercemarketing.blogspot.jp/2013/10/blog-post_25.html にも記載したように、

ブランド価値の評価機関であるインターブランド社が実施した評価をもとに上位30ブランドに贈られる
Malaysia’s Most Valuable Brands (MMVB) に2009年と2012年の2回連続で入賞しているブランドの中に
アパレルブランドが2つありますが、そのうちの1つがこのPADINIです。

SEED

PADINI

マレーシアローカルのファッションブランドは他にも沢山ありますが、
このPADINIはどの商業施設に行っても1階やエスカレーター正面などの良い場所を陣取って目立っています。

まさにマレーシアのファッション業界を牽引しているのがPADINI、業歴も40年以上の上場会社の中身は!?


レディース・メンズ・キッズから服飾雑貨にカフェまで手がけるファッション企業 

2012年後半にスタートしたTIZIOを含めた10ブランドと、それらの複数ブランドを1つの店舗で展開するマルチブランド業態のPadini Concept Storeというラインナップです。
  • PADINI 会社名にもなっている基幹ブランド。シンプルフォーマル、スマートカジュアル。メンズ&レディースを展開。
  • SEED コンテンポラリーカジュアル。メンズ&レディース、キッズ、カフェを展開。
  • PADINI Authentics  ベーシックカジュアル。メンズ&レディース、キッズを展開。
  • P&Co ティーンズカジュアル。レディース展開。
  • PDI ベーシックカジュアル。メンズ&レディースを展開。
  • MIKI  キッズウェアを展開
  • VINCCI レディースシューズ&バッグを展開
  • Vincci Accessories レディースアクセサリー、ベルト、サングラス等の服飾雑貨を展開
  • TIZIO お姉さま系レディースアパレル&バッグ(2012年スタートの新ブランド)
  • BRANDS OUTLET メンズのスマートカジュアを展開。
  • Padini Concept Store 上記のブランドを複合展開するマルチブランド業態。


P&Co


グループ内でテイストやグレード、ポジショニングが重なるブランドも!? 
複数あるブランドのうち、例えばPDIPADINI Authenticsはとても似ているので、
タグを外すとどっちがどれかわからないと思います。

マレーシアのファッションは、店舗デザインなど環境でブランディングをしている部分が多く、実際の商品だけを見てブランド名を隠すとそのブランドだとわからないブランドが多いので、
この2つだけでないと言えばそれまでですが。。
PDIの方が若干価格帯が下のような気もしますが、この2つが今後どうなるかも注目です。

他のグループのよく似たブランドに商業施設の床を取られるくらいなら、
同じグループで店舗区画を埋めてしまおうという意味もあるのでしょうか。
でも判断するのは消費者。もしかしたら今後はスクラップ&ビルドして再編があるかも知れませんね。

では、これらのブランドを展開する持ち株会社Padini Holdingsの財務諸表をひも解いてみます。

売上高が日本円で約217億円ですから、
物価を日本の2.5~3分の1と仮定すると、
日本では東京デリカやハニーズと同じような規模感かも知れません。

今回は基本情報をおさえてから、興味深い出店戦略については後日お届けします!


財務諸表 (2012年6月期IRRM=\30

   【店舗数】
    国内 263店舗
    海外  81店舗

   【マレーシア国内のブランド別店舗数】
    Vincci,  Vincci+,  Vincci Accessories 35店舗(うちFC14店舗)
    SEED  58店舗
    PADINI Authentics  37店舗
    PDI  14店舗(うちFC1店舗)
    PADINI  39店舗
    P&Co   1店舗
    Miki Kids  30店舗
    Miki Mom  4店舗
    BRANDS OUTLET  19店舗
    マルチブランド複合店 26店舗
    (2013年はこれに新ブランドTIZIOが加わっています。)

   【PL】
    売 上   RM723,411,000 (217億円) 
    売上原価  RM374,821,000 (112.4億円)
    売上総利益  RM348,590,000 (104.6億円)
    販売費  RM174,812,000 (52.4億円)
    一般管理費  RM48,092,000 (14.4億円)
    営業利益  RM132,977,000 (39.9億円)

   【BS】
    現預金  RM137,612,000 (41.3億円)
    棚卸資産   RM192,285,000 (57.7億円)
    負 債   RM142,196,000 (42.7億円)

PADINI Authentics

PDI

2013年10月25日金曜日

マレーシアブランドの価値ランキング。その顔ぶれは?


マレーシアには広告業者で組織される Association of Accredited Advertising Agents Malaysia (通称4As)という1960年代に設立された業界団体があります。


マレーシアの最も価値あるブランドトップ30 Malaysia’s Most Valuable Brands (MMVB)とは?

その4Asではブランド価値の格付機関であるインターブランド社をパートナーとして
3年に一度マレーシアブランドのブランド価値を評価し、上位30ブランドをMalaysia’s Most Valuable Brands (MMVB)として発表しています。

様々なマーケティグ手法を駆使してブランド価値をいかに高めるかは、どのブランドにとっても永遠の課題。

ナイキやマクドナルドなどの世界企業を一切入れないマレーシアブランドだけのランキングなので、
マレーシアでブランド価値の高いローカルブランドを見るのに役立ちます。
さてその30のブランドはどんな顔ぶれでしょうか。


銀行と通信ブランドが上位を独占。複合企業、航空会社、エネルギーブランドが追随
上位6位まではメイバンク、CIMBなどの銀行とマクシスやセルコムなどの通信会社が独占しており、これはマレーシアにいる人なら誰もが納得する結果。

その他はSime DarbyIOIなどのコングロマリット企業や、
F1マレーシアグランプリでもお馴染みで私もガソリン給油でいつもお世話になっているペトロナス、
エアアジアなどマレーシアではお馴染みのブランドが続き、ランキングに入ってくる業種自体は日本のブランド価値ランキングとも似ています。

またマレーシアで最も登録台数が多い車のブランドであるプロトンは
前回の2009年にからランキング外になったままなのに対し、若者に人気のPeroduaが11位というのも興味深いところです。
日本でいうとトヨタがランク外になって、マツダがランクインしたような感じですから。

発表が3年に1度なので昨年発表のデータですが、次回2015年でもかなりの入替えがあるかも知れません。

出典:Malaysia’s Most Valuable Brands 2012 Results


小売業のトップはParkson(百盛)が8位、ファションブランドも2つがランクイン

さて、小売業はどうかというと、
アジアで圧倒的な知名度の百貨店Parkson(百盛)が最も上位の8位で1137億円のブランド価値になっています。

Parksonがマレーシアの百貨店だということを知っている人は案外少ないと思いますが、それだけマレーシア外でのブランディングができているという意味ですね。

ファッションでは、25位に複合ファッションブランドを展開するPadini78億円)、靴とバッグで人気のBonia(38億円)が29位にランクインしています。

中でもこのPadini1971年に婦人服の製造卸からスタートした業歴40年以上の企業です。
マレーシア商業マーケティング通信では、このPadiniにも注目しています。Padiniの出店戦略は日本に居るとわからない面白い戦略です。その話はまた後日!

実はマレーシアの百貨店!PARKSON(百盛)
アパレル、靴、バッグなど複数のブランドを展開するPADINI

2013年10月20日日曜日

マレーシア版クレアーズ!?アクセサリー「MIGO」


マレーシアにも安価で可愛いアクセサリーを売るショップがあります。
その1つがMIGO ACCESSORIES。

ピンクとレッドがテーマカラーのお店です。
取扱い商品カテゴリーは、ヘアアクセサリー、コスメティック雑貨、サングラス、ファンシーバッグ等ですが、全体に占めるヘアアクセサリーの比率がだいたい50%弱でとても高く、次いでコスメティック雑貨という構成です。

日本で可愛いアクセサリーショップと言えばクレアーズですが、整然と陳列された小さなアイテムが沢山見えるあたりは一見マレーシア版クレアーズという雰囲気。

ただクレアーズのようにハロウィン、クリスマスなどのシーズンアイテムの投入はまだまだこれからのようなので、今後どう進化するかが楽しみです。


クリスマスも普通に祝い、しかも祝日!というマレーシア
ちなみにマレーシアはイスラム教徒が最も多く、次いで仏教徒、ヒンドゥー教徒という順ですが、
キリスト教徒のお祭りであるクリスマスも日本と同じようにイベント的に祝います。日本ではクリスマスは平日なのに対して、マレーシアでは祝日というところも何だか大らかでいいですね~。

シーズンアイテムの投入で売場に変化が出るのももうすぐなのでは?




2013年10月17日木曜日

これでマレーシア人の好みが簡単に理解できる!マレーシア人の色彩感覚 (3)


海外で商品開発や店舗開発、Eコマースの販売ページ作成などを行う際にその国の消費者の好みを知ることが大切なのは言うまでもありません。そしてマレーシア人独特の色彩感覚を理解することも重要なファクターの1つです。

前回 『マレーシア人の色彩感(2)』http://malaysiacommercemarketing.blogspot.jp/2013/10/blog-post_16.htmlこの国の色彩感覚を紐解いてお話した“各民族に根付いた色がある”という理由に加えて、マレーシア人の色彩感覚の理解を完結するために大切な視点があります。

それはこの国の風土。
風土とは読んで字のごとく風と土、マレーシア商業マーケティング通信では長年マレーシアを見続けてきた中でマレーシアの『土』に注目しました。


日本とは土の色が全く違う
各民族のソウルカラーだけでは解明できないくすんだ色や微妙な色はどこから来ているのでしょうか?

鮮やかな色に加えて、くすんだ色や微妙な色使いが多い理由は、日本と違うマレーシアの赤土にあります。
マレーシアの赤土色が大きく影響しているという赤土理論をマレーシア商業マーケティング通信は提唱します。

これはクアラルンプールなどの都心に留まっていると決してわからないことであり、意識しないとつい見逃してしまうことです。

民族の壁を超えて
全てのマレーシア人の根底にある赤土色はコレ!


マレーシア人は小さい時から色んな場面でこの赤土を見て育ってきています。

この赤土色が、民族の壁を超えて全てのマレーシア人にとって
赤であり、オレンジであり、ピンクであり、茶色でもある、という認識になっているからこそ

赤土色の明度違いや彩度違いのバリエーションが日本ではあまり使わないマレーシア独特の微妙な色使いを生み出す原点になっているのです。


赤土理論を理解できるとすんなり理解できる色が多い
高速のサービスエリアもこんな色です


もちろん土の色だけでなくマレーシアの自然界にある様々な色が影響していることは言うまでもありませんが、この赤土理論を理解していると街で見かける不思議な色使いも10倍楽しく理解できるようになります。


マレーシア商業マーケティング通信では、商業施設の店舗でVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の指導もしており、実際はここで述べたことよりも更に深い部分を理解してコミュニケーションを取りながら現地に根付く方法で進めるようにしています。

豊かな自然が育む色も多い

マレーシアの人とのコミュニケーションもこれまたなかなか一朝一夕ではいかないところが奥が深い!(笑)これはまた追々回を改めて投稿したいと思います。

2013年10月16日水曜日

マレーシア人の色彩感覚(2)


マレーシア人の色彩感覚。
マレーシア商業マーケティング通信では、マレーシア人の独特な色彩感覚にも注目しています。

どうしてこんなにも多種多様な色がマレーシアには混在し、氾濫しているかという理由をいくつか考察してみます。

今回はマーケティング発想で考えられる理由、そして次回(3)では、マレーシア商業マーケティグ通信が足で稼いだ独自の見解を投稿します。

ご存知のようにマレーシアはマレー系、華人系、インド系などの多民族国家。
それぞれの民族にはそれぞれの宗教、古くから受け継いできた文化や慣習があり、それらを互いに尊重しながら成り立っている国、それがマレーシアです。


各民族に根付いた色がある。しかも微妙な違いが!
各民族の心の奥底に根付いている謂わばソウルカラーはとても沢山あると思いますが、その中でも代表的な色は緑、青、赤、黄色です。

・・・グリーンはイスラム教の預言者ムハンマドのターバンの色とされ、聖なる色とされておりイスラム教徒のマレー系の人の心の奥底にしっかりとある色とも言えます。

・・・青はイスラム寺院の屋根やタイル、イスラム様式の建築物に多く使われている色です。
またマレーシア警察のシンボルカラーであり、制服の色でもあり、警察官舎の屋根にも青が使われていますので、生活していてよく出会う色です。
さらにマレーシア国旗にも青が使われており、国民の団結を表しています。



・・・華系のソウルカラー。仏教寺院の赤、春節などの祝い事をする時の赤など、
華僑系の人の生活の多種多様な場面で赤が出てきます。
そして、もちろんマレーシア国旗にも赤が使われていますし、マレーシア国花はハイビスカスなので、華僑系に関わらず赤はとてもポピュラーな色です。

赤と一言で言っても、華系の赤とマレーシア国旗の赤、ハイビスカスの赤は全て違うバリエーションになります。こんなところからも多種多様な色の氾濫は理解できますね。



・・・インド系の人々はヒンドゥー教徒が多く、ヒンドゥー寺院に参拝時はジャスミンの花飾りを奉納する慣習があることから、ヒンドゥー寺院周辺では黄色いジャスミンの花が大量に売られており、生活の中に溶け込んでいます。

また、インド系は主にイギリス統治下の時代にインドから第一世代が来て現在親が2世代目で子供が3世代目、あるいは現在2世代目という人が多く、出身国であるインド国旗にはサフランイエローと言われる赤みがかったイエローが使われていることからもイエローは馴染みの色と言えます。

そして、イエローはマレーシア王室の色でもあります。
マレーシア国旗の星と月はイスラム教の象徴であり、王室カラーのイエローになっています。

ジャスミンイエロー、サフランイエロー、王室のイエローは同じイエローでも全部微妙に色調が違います。

フルーツもとてもカラフル。果物屋さんの屋根はグリーン。
生活の中に出てくる色が多種多様なマレーシア


このように各民族に深く根付いている色があって、
同じ色でも微妙に色調が違うことから、1つの商品が1型で何色も展開が出てきてしまうのではないかと考えます。

四季折々の自然豊かな日本に暮らす日本人はとても繊細な色彩感覚を持っていますが、
もしかしたらマレーシア人は日本人以上に同色の微妙な違いに敏感なのかも知れません。