2013年11月21日木曜日

「売り方が変われば買い方も変わる」を実践しているマーケティングのお話


「売るモノ」はもちろん、むしろ「売り方」が大切!というのがマーケティングの原点。

今日は見る度に売れるのはマーケティング次第だということを実感するマレーシアの事例です。


目からウロコのシート売り、1回分売り

マレーシアで鎮痛剤として絶大な人気のパナドール。
日本で言えばバファリンやセデスの様な誰もが知っている大衆頭痛薬です。

通常の箱売りはもちろんあり、それとは別に
ここマレーシアでは1シートや1回分(2錠)という販売単位が存在するのです。

スーパーマーケットでは1シートが最小単位ですが、
ガソリンスタンドに併設のキオスクに行くと1回分という単位で販売しています。

これが運転中、ちょっと頭が痛くなった時にどれだけ有難いか!\(^o^)/


箱売りの箱の口が切られ、箱に入ったままシート毎、あるいは1回分毎に売っています。

もちろん、日本のように販売単位ごとに用法用量の記載はありません。


用法、用量?知りたきゃ自分で箱の方を見てね!という大らかな感じがマレーシア。

でも本来はこれで十分なんですよね。
SKUが増えて管理もその分大変だと思います。
薬事法や景表法の絡みで日本では難しい売り方だと思います。でも考え方は新鮮に学べます。


売り方を変えることで、新たな需要に応えていく。これぞマーケティング。


でも考えてみると
かつて日本でも富山の薬売りが使った分だけ課金するという小分け売りに似たシステムを採用していたのですがから、何も新しい売り方ではないのです。


昔からあるものを少しだけアレンジすることで新しい価値観を生み出す。

これがマーケティングですね。


スーパーで普通に買える鎮痛剤パナドールのシート売り
ちなみにパナドールはMDの横展開に長けていて、5種類もあります。
1ブランドでゴールデンポジションの棚1段を見事に占拠。
        ビタミンのサインの真下に鎮痛剤!
というのは大目に見てあげてください(^^; ここはマレーシア(笑)



実は・・私のマーケティングの原点は農家の無人販売だったりします(笑)

幼稚園の時に母と散歩道でよく通りかかった農家の無人販売。
その時に母が言っていた言葉は今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。
これが私のマーケティングの原点なのかも知れません。

     母: 「あのおネギ、なんであんなに売れ残ってると思う?」

     私: 「・・・・?(なんでだろう?)」

     母: 「農家の人は一生懸命おネギを作ったのに、売り方を知らないのよ!」

     私: 「売り方?」

     母: 「1つずつ40円で売るんじゃなくて、あんだけ沢山売るんなら、3つ100円で売ればいいのに。
         私だったらそうするわ。売れ残って捨てるよりよっぽどいいわ~。」

     私: (幼稚園児の私→目からウロコ。キョト~ン!)


やっぱり売り方は大事!

時代に合わせ、お客様を見つめて常に新たな価値観を提案できたら!そう思います。

2013年11月17日日曜日

マレーシアの消費者6000人が選んだブランドランキング


今年もあと1ヶ月少しになりました。

そこでマレーシア最大のブランドに関する消費者調査
PUTRA BRAND AWARDS 2013】の結果を確認してみました。

「マレーシアブランドの価値ランキング」で見た結果とはまた違うマレーシアの顔が見え
マーケティングをする上で、消費者のブランド意識は大切なので参考になる結果です。

以前の記事
マレーシアブランドの価値ランキング その顔ぶれは!?」で紹介したMalaysias Most Valuable Brandsは、
マレーシアのローカルブランドだけを広告に携わる人が投票したブランド価値調査でした。

そしてこちらは消費者調査で、マレーシア全土の6000人の消費者によるオンライン投票により決まります。

参考:「マレーシアブランドの価値ランキング。その顔ぶれは!?」


PUTRA BRABD AWARDS 2013
マレーシア商業マーケティング的に興味のある3部門をピックアップしました。
(マレーシアのローカルブランドはピンク

ブランド・オブ・ザ・イヤー : サムソン

最も積極的なブランド・オブ・ザ・イヤー : BONIA、シークレットレシピ


アパレル・アクセサリー部門
1位 ナイキ
2位 BONIASEIKO、ロレックス
3位 ユニクロ


 メンズ&レディースの靴・バッグ業態BONIA


ユニクロFahrenheit 88店



小売部門
1位 イオン、Giant
2位 テスコ
3位 IKEA

ファーストフード部門
1位 マクドナルト
2位 KFCシークレットレシピ
3位 ケニー・ロジャース・ロースタース、Old Town White Coffee


マレーシア版スタバ!?
個人的にはスタバより好きなOLD TOWN WHITE COFFEE




6000人のサンプル抽出がどのようなエリアから抽出されたのかわかりませんが、
KL周辺とペナンにしか展開しておらず、まだマレーシア全土に店舗のないユニクロが
アパレル・アクセサリー部門で3位というのも興味深いところです。

マレーシアローカルブランドという縛りが無いのでインターナショナルブランドも幅を利かせている中、
マレーシアローカルブランドは、アパレル・アクセサリー部門のBONIA(靴とバッグの専門店)、
GiantGMS)、シークレットレシピ(レストラン)、オールドタウンホワイトコーヒー(カフェ)の4ブランドで、どのブランドも商業施設ではお馴染みの顔です。

一般的なマレーシア人のブランド意識を日本人と比べると
マレーシアの人にとってインターナショナルブランドなのかローカルブランドなのかと言う意識は日本人のブランド意識と比べると希薄です。

例えば、小売部門で1位のイオンはマレーシアに上陸されて20年
ローカルマレーシア人の生活および意識のど真ん中に位置しています。
どれがローカルブランドで、どれが外来ブランドかと言う考え方自体、ここマレーシアでは既にナンセンスかも知れません。



出典: PUTRA BRAND AWARDS 2013



2013年11月10日日曜日

中国ECの歴史に学んで考えるマレーシアのEコマース


昨日の南洋网(Nanyang.com)にマレーシアマルチメディア開発公社などが出席したフォーラムの興味深い記事がありましたのでご紹介します。

南洋网(Nanyang.com)2013年11月9日の記事
掌握资源 迈向科技时代 电子商务未来新趋势


【 メ モ 】

Mobile88.comの張理権氏の話
  1. マレーシアは決済システムの環境が整備され、Eコマース発展に最適な時期に来ている。 

マレーシアマルチメディア開発公社の黄婉冰氏の話
  1. Eコマース利用人口は2010年の44%増の160万人
  2. オンライントランザクション(ネット取引金額)現在RM18億(約540億円) → 2014年予想RM50億(約1500億円)
  3. 2016年のEコーマス規模予想RM19億(約570億円)


中国のEコマースの歴史を振り返り、
  • 中国では2003~2005年に個人取引が始まり、
  • 2006年から2007年は専門化、専業社の出現、
  • 2008年~2010年に企業間競争が始まり、
  • 2011年から資本市場競争になったとあります。

そしてマレーシアでは現段階はその初期「個人創業の黄金期」にあたると述べています。



歴史を追う側のスピードは増すというセオリー

歴史を後から追いかける場合は、歴史よりも発展スピードが速くなり、
段階を経る場合もかなりのオーバーラップがあるのはEコマースに限らず言えるセオリー。

マレーシアの現在を記事では個人創業の黄金期という見出しで述べられていますが、


中国が個人取引をスタートからわずか2年ほどで、
現在の市場をつくる主なプレーヤーが出揃って基礎固めをした歴史に学ぶところは多いと思います。


2015年のASEAN統合に向けて
あと1ヶ月少しでもう2014年が来ることを考えると、
市場を形成する主なプレーヤーは来年から続々と登場して出揃うのではないでしょうか。

マレーシアのECサイト Q0010  http://www.qoo10.my/


中国のECが一番売れる双11(独身の日) がマレーシア版にアレンジされる日も!?

中国では、ECサイトが最も盛り上がる11月11日のお祭り・双11(独身の日)があと数時間で始まります。

中国では双11のたった1日のEコーマス販売額
2012年実績で約3000億円、2013年の予想が5000億円とも8000億円とも言われていることを思うと、
マレーシアのEコマースの規模はとても小さいことがわかります。


でも中国は中国、ここはマレーシア!マレーシアも我が道を行きますよ~


イスラム教でもクリスマスもバレンタインも大好き!
お祭り大好きなマレーシア人がこのお祭りをEコマースに取り入れるのも時間の問題だと思います。

環境整備に向け、マレーシア政府がITに力を入れ法人税免除などの後押しがあるという利点が多いのもマレーシアならでは!

リアル店舗が無くなることは絶対にありません。

もう1つの選択肢としてのあと数年でマレーシアならではの市場が形成されていくことでしょう。


双11スタート数時間前の中国最大のECサイト 天猫TMALL.COM
既にお祭りの前の静けさ・・・あと数時間で始まります。
今年はどこまで販売額が伸びるか!?http://www.tmall.com/


2013年11月5日火曜日

ジョホールバル発イケてるセレクトショップ!?「CROSSOVER」


   マレーシアにもセレクトショップは色々ありますが、その中でもなかなかのこだわりぶりなのが、
   マレーシア最南端シンガポール国境の街、ジョホールバル発のCROSSOVER

   2005年からスタートのクロスオーバーは現在ジョホールバルのみに2店舗を展開、
   旗艦店はシティ・スクエアに、
   2号店はイオン・テブラウシティショッピングセンター(AEON Tebrau City SC)にあります。

   CROSSOVER https://www.facebook.com/crossoverjb


   ストアコンセプトと乖離したユニフォームが横行するマレーシア

   日本ではショップスタッフが歩くメディアとして、
   そのフランドやショップの物を身につけて接客する姿は珍しくありません。

   でもマレーシアではまだまだ、
   売っている物とショップスタッフのファッションに乖離があるケースが多いのです。

   例えば、すご~く素敵なランジェリーショップのスタッフユニフォームが、
   どこかのユニフォーム屋でロゴだけプリントした
   全く色気無しの健康的なポロシャツだったりすることもしばしば・・・。


   「あちゃ・・なんでそれかな~・・・」と愕然としたりします。


   またマレーシアでは、
   工場ワーカーのユニフォームが社名のバックプリント入りという会社も多いので、
   それと全く変わらない場合もあるくらいです。




   ショップスタッフは全員イケメン!

   そんな中、クロスオーバーのイケメンのお兄さん達はいつもとてもカッコ良く決まっています。

   甘いもの大好きのマレーシア人はぽっちゃりお腹の人も多いのに、
   クロスオーバーのイケメン達は一人もお腹が出ていないのも素敵である理由!

   ヘアスタイル、着こなし、足先に至る全てがまさにストアコンセプトを体現していて、
   お客様憧れの頼れる相談相手になっています。





   惚れ込んだアイテムというのが伝わる店づくり

   扱いアイテムはシューズがメインでサングラスやTシャツ、チノパンなどを販売しており、
   1つ1つがこだわりのアイテムばかりです。

   例えばプーマのサファイヤの45周年限定モデルや、Vansとリバティの限定コラボスニーカー、
   ニューバランスのレブライトや、ドクターマーチンなど一捻りあるアイテムが揃っており、
   それを理解して買い求める固定客が多いお店です。

   VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)が売れる見せ方になっているかどうかは
   改善の余地が多々ありますが、伸び代を感じますし、
   頑なに自分たちのやり方にこだわっている1本筋の通ったお店。

   オーナー自らが買い付けに行き、惚れ込んだアイテムを、
   自分たちこだわりの快適空間で扱っているというのが伝わってきます。
   
   こういうショップには頑張って欲しいですね~。


2013年11月4日月曜日

優勝から一夜、楽天マレーシアの優勝セールはどうだったか?


楽天優勝のニュースと共に、
楽天市場の優勝セールがニュースでバンバン流れ、絶大な広告効果があった今回の優勝。

星野監督の背番号に因んだ77%OFFのタイムセールをするなど、楽天スーパーSALE並みの盛り上がりを演出しています。


さて気になる、楽天マレーシアの今日の様子は!?


予想どおり、何も無かったかのように普段と同じでした。(^^;;

はい、ちょっと期待した自分を反省しています。(笑)

ここマレーシアでは野球は超マイナーなスポーツ!
というよりもスポーツを言えばサッカーが一番人気の国ですから、野球をまともに知っている人は少ないです。

ですから他国の野球チームの優勝でセールが連動していないのは当然ということなのかも知れません。


今日の楽天マレーシアのトップページ



楽天エキスポ2013の告知
セールではありませんが、代わりにサイト上では11月11日にクアラルンプールのガーデンズホテルで開催される楽天エキスポの告知が大々的にされています。

GoogleP1Berjaya BooksiPay88などのエグゼクティブをゲストに招いてEコマースの将来性などの啓蒙イベンドをするようです。

マレーシアではECは黎明期ですが、これから確実に市場は育って行きますね。

Eコマース未参入の企業にとっては、どの時点で参入するか、どのブランドもどの小売業者も考えどころではないでしょうか。