2013年10月6日日曜日

珈琲店のおじさんをアイコン化してブランディングに成功したインスタントコーヒーの話

マレーシアは世界的に有名な紅茶の産地。でもマレーシア人はコーヒーが大好きです。(笑)
それはスーパーマーケットの棚割を見ればわかります。紅茶よりコーヒーを圧倒的に多く販売しておりマレーシア人がいかにコーヒーが好きかというのがよく見えます。


同じようなデザインのパッケージが多い中 一際目立つコーヒーブランド

数多くのインスタントコーヒーのブランドがある中、売場で一際目立つブランドがあります。

どうして目立つのか?ほとんどのコーヒーが、コーヒーカップに注がれたコーヒーをパッケージデザインに使用し、同じようなイラストを色やブランドのロゴで差別化しているのに対し、ニッコリ笑った白髪交じりのおじさんのイラストがドーンと書いてあるからです。しかもそのおじさん、マレーシアのどこにでも居そうなとても親しみが湧く感じのおじさんなのです。

そのコーヒーのブランド名は亞發(Ah Huat)。マレーシアではお馴染みのハーバルエナジードリンクのメーカーでもあるPOWER ROOT (M) SDN BHDが発売するコーヒーブランドです。

POWER ROOT (M) SDN BHD  http://www.powerroot.com/malaysia/



写真は一切なしのウェブサイト ブランドストーリーと共に社会奉仕などの概念を上手く発信

1952年生まれの亞發おじさんをアイコンにして、パッケージデザインやウェブデザインに使用。そして亞發(Ah Huat)のウェブサイトは、商品も含めて写真は一切使わず全てイラストです。

亞發おじさんのストーリーを上手くブランドストーリーにしている点と、善行を啓蒙するような亞發おじさんゆかりの故事を絡めて商品を訴求している点がユニークです。


WEBサイトのトップページ


コーヒーはマレーシアでも大人の飲み物で子供はあまり飲みません。しかしこのブランドのプロモーションは、完全に子供向け。厳密には親子向けと言った方が正確かも知れません。売場でのプロモーションは以下のような順で始まり、次々と親子連れが反応します。



五感を刺激する売場でのプロモーション
  1. 亞發おじさんのコーヒーの歌がかかります
  2. (買物客がざわつき始め子供連れの家族も立ち止まります)
  3. 亞發おじさんの人形が登場
  4. (その人形を見て子供が一気に集まってきます)
  5. 亞發おじさんがコーヒーの歌に合わせて踊りを披露します
  6.  (子供達がおじさんのマネをして踊り出します。)
  7. (それを見た両親が一斉に子供の写真を撮影が始まります)
  8.  入れたてのコーヒーの香りが売場を漂います
  9.  紙コップに入れたコーヒーの試飲が始まります
  10. 買物客が次々と商品を買物カゴに入れ購入
Ah Huat White cafélalaAh Huat White cafélala♪一度聴いただけで口ずさんでしまう簡単なフレーズで潜在意識に訴える五感を刺激するマーケティングをしています。

Huat 心想事成 (飲もう、皆に富と繁栄を!心願成就)がキャッチフレーズ

極めて華人的なこのフレーズ。プロモーションの売場に多く掲げられていた言葉です。

Huat 婀(ah)という言葉は華人のお祭りでもよく叫ばれる富と繁栄を祈る言葉です。また飲もうという意味もあることからその2つを上手く掛けて使っています。

しかし、マレー系の人には全く響かない言葉だと思いますので、華人系に絞ってマーケティングをしているのかも知れません。今後どんなマーケティングで顧客層を広げるかに注目したいと思います。

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