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2014年1月26日日曜日

ジョホール・プレミアム・アウトレット (JPO)とサイモン社が考えるコミュニケーション戦略が徹底しているという話


まずはJPOのアウトラインや立地のおさらいから・・・
ジョホール・プレミアム・アウトレット(JPO)は、サイモンプロパティーグループ(SPG)が世界的アウトレットモールブランドである「プレミアム・アウトレット(Premium Outlets ®)」の東南アジア初進出に際し、マレーシアのコングロマリットであるゲンティン社とタグを組んで2011年12月にオープンしたモールです。

サイモン社がプレミアム・アウトレットを出店する場合の立地選定は方程式通りの妥協なし、
ジョホールの場合も高速道路に隣接する立地、2つの高速道路が交差する角地でシンガポールからのアクセスも抜群の場所にあります。

マレーシアはクアラルンプール以外は公共交通網が発展していないため車社会です。
よってジョホールバルから飛行機で1時間のクアラルンプール(KL)まで4時間運転して行くことはごく普通、全く珍しいことではありません。

私も330キロの距離を運転してKLまでよく行きますが、その時に高速道路脇にあるこのモールは本当によく目立ちますし、ライトアップされた夜は更によく目につきます。
日本では御殿場、りんくう、佐野などでお馴染みのなのでジョホールに行ったことがない人にも幹線道路から見えるアウトレットモールはイメージしやすいのではと思います。



さて、このジョホール・プレミアム・アウトレットはジョホール州のクライジャヤにあります。

ピンと来たあなたは流石です!

そうなんです、先日投稿したイオンモール・クライジャヤと同じエリアです。 
→【進化する商業施設「イオンモール・クライジャヤ」】

クライジャヤは日本でも再三宣伝されているマレーシアの国家プロジェクト「ジョホール・イスカンダル計画」のエリアの1つででもあります。

この2つのモールを比較して述べている人はいませんのであまり知られていませんが
実はこの2つのモールは8Km弱しか離れておらず、車で約10分という位置関係なんです。
そしてイオンモールの方が生活幹線道路や住宅地に近いところにあります。

両方のモールには同じマレーシアブランドがいくつもありますし飲食も重複する店舗がありますが、現状は互いにとって全く脅威ではないと言えます。



華々しくグランドオープンした新店のイオンモールとは対照的!静かに第2期をオープンしたJPO
イオンモール・クライジャヤが9割方の区画を埋め尽くして華々しくグランドオープンした昨年2013年11月27日から遡ること約2週間、2013年11月15日にジョホール・プレミアム・アウトレット(JPO)の第2期がグランドオープンし、40店舗・10万平方フィートの増床(約9300㎡=2800坪)で、合計120店舗になりました。


下の画像は2013年11月7日にVIPメンバーにメールで配信された内容
VIPメンバーにはバスキンロビンズのアイスクリームが1スクープ食べられるバウチャーがもらえるということで来店を促進している。(11月15日から3日間毎日500スクープ提供)

 増床店舗数の40という数字は既に昨年半ばには明らかになっていましたが、11月15日のグランドオープンはとても静かなオープンで、グランドオープンとしたものの40のうち当日のオープンに間に合ったのは約半分の21店舗といういかにも米国式、近日オープン(Coming Soon)の区画が目立ちました。

グランドオープン後にオープンしたブランド(これからも続々とオープンする)
2013/11/28 World of Outdoors,  Columbia, Guess Accessories, Bread & Butter
2013/12/13 Topshop
2013/12/20 Time Lab
2013/12/21 Hugo Boss
2013/12/22 Calvin Klein Jeans  Calvin Klein Underwear
2014/01/22 Diane von Furstenberg

2013年半ばから登場した40店舗近日オープンの看板。
来店客にはこの看板から奥に新しいゾーンが増床することを刷り込みしていた。

視察当日はコーチが広告ジャック!モール全体でオープンを告知していた。
モールのどこを歩いていても目に入るコーチのバナー

上だけじゃなく、歩いている目線でもコーチの看板が目に入る

そしてお店にはお客さんが沢山入っていました。

増床部分に新規オープンのアイグナー

増床部分に新規オープンのギラロッシュ

増床部分に新規オープンのSwatch
まだまだ品薄な感じでしたが今後に期待!

増床部分に新規オープン
マレーシアではお馴染みのポルトガルから来たブランドSacoor Brothers

増床部分に新規オープンのブレッド&バター
と言っても香港ブランドのブレッド&バターではありません!マレーシアのお店です
高級ジーンズのセレクトショップ、なかなか高感度!

増床部分に新規オープンしたマレーシアブランドSODA

SODAの隣は同じくマレーシアブランドVOIR
マレーシアのモールではお馴染みの並び(同じ会社のブランドだからです)

Kate spadeもそろそろかな・・・
Coming Soonがsoonじゃない?マレーシア

個人的に一番興味をそそられたパリス・ヒルトンのカミングスーン


徹底した世界共通イメージのコミュニケーション戦略
サイモン社のプレミアムアウトレットのブランディングは徹底しています。どの国で展開する場合もぶれることなく1つのイメージを打ち出しているということです。わかりやすく言うと、日本のプレミアムアウトレットのサイト(http://www.premiumoutlets.co.jp/)に行っても、アメリカ本国のサイト(http://www.premiumoutlets.com/)に行っても、マレーシアのサイト(http://www.premiumoutlets.com.my/)に行っても全部同じ白人女性が打ち出されていますし、VIPメンバーへ配信されるメールに添付されるイメージも全て同じ白人女性です。頑ななまでにぶれない戦略があって、プレミアムアウトレット(Premium Outlets ®)というブランドを守っています。


日本のサイト


マレーシアのサイト

2013年12月19日にJPOのVIPメンバーに配信されたメール
これをコピーしてインフォメーション・センターに持参すると
ここに書かれたブランドの追加割引が得られるVIPクーポンブックがもらえる

2014年1月16日にVIPメンバーに配信されたメール
新しいVIPクーポンブックを入手しチャイニーズニューイヤーの割引を逃さないでという勧誘



ファミリーやカップルを等身大イメージにしているイオンモール、白人女性で常夏のマレーシアでも春夏秋冬の打ち出しをしているプレミアムアウトレット、たった10分の距離にある2つの商業施設の充実でエリア生活者の選択肢に幅が加わったことは間違いありません。

ジョホールバルというエリア全体で見ると今後はミッドバレーモールも上陸しますし、その他の選択肢も続々と加わることでしょう。ASEAN統合に向けて生活の質が益々向上するマレーシアの商業から目が離せません。

2013年12月26日木曜日

ヒューマンウォッチング in 『イオンモール クライジャヤ』


イオンモールクライジャヤのオープン当日のお客様ウォッチング。

クライジャヤは少し前までクライという地名でした。
中国語表記で古来と書いてKULAIです。
クライは客家系(ハッカ)の華人が多いと言われるエリアですが、当日のお客様はどうだったでしょう。


写真は吹き抜けスペースでイオンカードのプロモーションに集まる人々。
当日はほぼ民族別人口比率とよく似た配分、若干それよりは中国系が多いかなという感じでお客様が来られていたように見えました。

※マレーシアの民族別人口比率 マレー系 (約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)

それもそのはず、少し車で走るとすぐにオイルパーム(油椰子)のプランテーションになり、そこはほぼ100%マレー人の集落で、その更に奥に住宅開発も進んでいてそこにもマレー人が多く居住しているエリアなのです。



お客様ウォッチングをしながら色のお勉強も兼ねています。
マレーシア人が好きな色が溢れています。
少しくすんだピンク、濃くも薄くもないマレーシア特有のピンク、赤土色をベースにした色も多いですね~。
ピエロのカラーコーディネートも日本とは全く違う感覚なのが面白い!

マレーシア人の色彩感覚は以前のブログにも書いています。




人、人、人・・・。

ゆるキャラ!?はマレーシアでも人気。
こちらアイスクリーム屋さんのキャラなのですが、
この直後に後ろから子供数人の容赦無いタックルに遭い、
必死に頭を押さえてふんばって耐えていたのが健気でした。
それも含めてお客様が楽しんだということで・・・・。(笑)



見てるだけの人ももちろん居ますが、家族連れで来て買物をしている人が圧倒的に多い。



イオン名物!駐車場やレジ横にたまったお買い物カートをカート置き場に戻すおじさん登場。

まめにこの作業をしていても、カート置き場にカートが無くなる事があるくらいお客様の入りがあるイオンですから、
これは本当に大事な業務。
因みに写真右奥の黒いTシャツの人も同じ長さの百足のようなカートを押しています。


イオンの寿司コーナーは常に人気です。
巻き物、いなり、握り、手巻きなど色々あります。

イオンの食品売場キャッシャー前の焼きたてピザ販売。(写真左)
焼きたての匂いと手軽な価格に誘われてつい・・・を狙っています。

焼きたてピザのFRESH PIZZAの隣はミスタードナツ、
そして並びにはベーカリーのラ・ボエムとついつい買ってしまうラインナップ。

通常のガラスケース内でのトレー展示では追いつかず、
オープン当日は箱を積み上げて焼きたてを販売。人気でした。
RM5はこちらの人にもお手軽なプロモーション価格。

レジにも長蛇の列。レジが進むスピードはとてもゆっくりのマレーシア。
だから列もどんどん伸びます。イオンに限らずどのスーパーでもゆっく~りです。

カメラを向けるとほぼ100%の確率でポーズを取るのもマレーシア人らしさの1つ。(笑)

2013年12月17日火曜日

進化する商業施設『イオンモール クライジャヤ』オープンレポート


今やマレーシア人の生活に無くてはならないイオン。
20131127日にジョホール州に5番目のイオンモール『イオンモールクライジャヤ(AEON MALL KULAIJAYA)』がオープンしたので独自視点でレポートします。

 ニュースリリース http://www.aeon.info/news/2013_2/pdf/131127R_1.pdf

徐々にオープンして数カ月後にグランド・オープニングというケースが多いマレーシアにあって、1発勝負でグランド・オープニングに至るにはさぞご苦労があったと思います。
当日は「グランドオープン」という名に相応しいテナントラインナップと集客でした。


勝算十二分。数100m先のIOIモールをぶっ潰す勢いあり!

イオンモールがオープンしたクライジャヤは、私がこの10年継続して見続けているエリアの1つ。

今回イオンがオープンするまでは、エリア生活者の第一選択肢は目と鼻の先にあるIOIモール(アイオーアイ)でした。しかし決して満足していた訳でなく、物販テナントの充実度、飲食のラインナップとどれを取っても自慢できる施設ではありませんでした。

今回イオンモールの出現はその不満を一気に解消したばかりか、
潜在需要を掘り起こし、このエリアに今まで無かった新たな価値観を提供したと思います。


1核+149テナントの構成
1階と2階が売場、来春にはシネコンもオープン







あっぱれ!車の誘導サイン

イオンにとってクライジャヤのIOIは勝負に足りる相手ではないとは言え、
真っ向勝負の本気度は車の誘導サインに明確に現れていました。

イオンとIOIは同じ幹線道路に面して数100mしか離れておらず、信号約1〜2個分の距離。
車を運転していてすぐ先の信号を右折すればIOIモールの入口というところに、Uターンレーンがあります。

イオンはまずそのUターンレーンに、「イオンモールへのUターンはこちら!」というサインを表示、
この場所にこのサインを設置するのに一体いくらかかったんだろう・・・と思ってしまいますが
IOIに行くために右側車線に寄った車客をどんどんUターンレーンからイオン側に誘導することに成功していました。

来春にはシネコンもオープンし、益々充実するイオンモールクライジャヤ。
このままではIOIが瀕死になるのは必至です。
モールからの業態転換も含めてIOIの巻き返しなるか!?この点にも要注目です。


今回の目玉は圧倒的ボリュームのフードコート「Food Avenue」と子供向けゾーン

今回、進化するイオンモールを最も印象付けたのはフードコートでした。

これまでは色使いも環境も子供を意識したフードコートが主流だったのに対し、今回は大人のフードコート。
子供用遊び場はフードコートと隣接した位置にグループ会社のイオンファンタジーが運営する「キッズーナ」やゲームコーナーとしてきちんと確保されています。

フードコートはジョホールバル最大級の22店舗。広いスペースを複数の環境に分けた点もジョホールのお客様にはとても新しく、どの席に座ろうかという楽しさを演出しています。

フードアベニューのエントランス






イオンファンタジーが運営する「キッズーナ」



ジョホールバル初登場 アニメーションワールド



フードアベニューから子供ゾーンへ



守りではなく攻めの姿勢が伺える酒売場

イスラム教は戒律で飲酒を禁じているので、マレーシアで飲酒が許されているのは
イスラム教以外の宗教の華僑系、インド系とその他の民族で、その割合は人口の35%前後と言われています。

ともすると売場の奥やコーナーにひっそりと位置することが多い酒売場。
ここではパブリックの通路正面から見える電器売場の奥、食料品ゾーンの中に広い間口で設けられており視認性も抜群、まさに攻めてる酒売場!新たな価値観を訴求する意気込みが感じられました。

茶色いウッディーな色調の酒売場が多い中、白い酒売場は新鮮そのものです。

食事をしながらお酒は飲まず、食後に飲酒という人も多いマレーシア。
食卓にワインというライフスタイルが今後どこまで浸透するかも楽しみですね。

 通路のエンドにドーン!左手前が電気、その奥に酒売場
(イオンのサイン右側が食品入口)

明るく清潔感のある酒売場パレット 

フードコートとは別にイオンの中にあるイートイン。
飲食比率が高いのもマレーシアならでは


タブレット保有率が高いマレーシア。Free WiFiは常識!

各テナントが独自にフリーWi-Fiを提供しているのが普通のマレーシア。今回は商業施設としてもフリーのWi-Fiゾーンを明確に発信、空きテナントスペースなどの有効利用を図っていたのも好印象でした。




トイレに向かう通路だって気を抜いていません!

ファミリー客を出迎える通路環境

そしてトイレにはマレーシアでは超珍しくウォシュレット完備というのも攻めの姿勢が伺えます。

新しい価値観はこういう新しい取り組みの積み重ねで生まれるものだと確信します。