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2013年11月5日火曜日

ジョホールバル発イケてるセレクトショップ!?「CROSSOVER」


   マレーシアにもセレクトショップは色々ありますが、その中でもなかなかのこだわりぶりなのが、
   マレーシア最南端シンガポール国境の街、ジョホールバル発のCROSSOVER

   2005年からスタートのクロスオーバーは現在ジョホールバルのみに2店舗を展開、
   旗艦店はシティ・スクエアに、
   2号店はイオン・テブラウシティショッピングセンター(AEON Tebrau City SC)にあります。

   CROSSOVER https://www.facebook.com/crossoverjb


   ストアコンセプトと乖離したユニフォームが横行するマレーシア

   日本ではショップスタッフが歩くメディアとして、
   そのフランドやショップの物を身につけて接客する姿は珍しくありません。

   でもマレーシアではまだまだ、
   売っている物とショップスタッフのファッションに乖離があるケースが多いのです。

   例えば、すご~く素敵なランジェリーショップのスタッフユニフォームが、
   どこかのユニフォーム屋でロゴだけプリントした
   全く色気無しの健康的なポロシャツだったりすることもしばしば・・・。


   「あちゃ・・なんでそれかな~・・・」と愕然としたりします。


   またマレーシアでは、
   工場ワーカーのユニフォームが社名のバックプリント入りという会社も多いので、
   それと全く変わらない場合もあるくらいです。




   ショップスタッフは全員イケメン!

   そんな中、クロスオーバーのイケメンのお兄さん達はいつもとてもカッコ良く決まっています。

   甘いもの大好きのマレーシア人はぽっちゃりお腹の人も多いのに、
   クロスオーバーのイケメン達は一人もお腹が出ていないのも素敵である理由!

   ヘアスタイル、着こなし、足先に至る全てがまさにストアコンセプトを体現していて、
   お客様憧れの頼れる相談相手になっています。





   惚れ込んだアイテムというのが伝わる店づくり

   扱いアイテムはシューズがメインでサングラスやTシャツ、チノパンなどを販売しており、
   1つ1つがこだわりのアイテムばかりです。

   例えばプーマのサファイヤの45周年限定モデルや、Vansとリバティの限定コラボスニーカー、
   ニューバランスのレブライトや、ドクターマーチンなど一捻りあるアイテムが揃っており、
   それを理解して買い求める固定客が多いお店です。

   VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)が売れる見せ方になっているかどうかは
   改善の余地が多々ありますが、伸び代を感じますし、
   頑なに自分たちのやり方にこだわっている1本筋の通ったお店。

   オーナー自らが買い付けに行き、惚れ込んだアイテムを、
   自分たちこだわりの快適空間で扱っているというのが伝わってきます。
   
   こういうショップには頑張って欲しいですね~。


2013年10月31日木曜日

意外な1つに集中して海外進出しているPADINIの出店戦略 【ブランド編】


PADINIグループの2012年6月期の全店舗数は344店舗。
そのうち81店舗が海外。

しかし、中国市場は狙わずに中東とASEANに絞り込んだ戦略は日本人からすると一見ユニークというお話を 
PADINIの出店戦略にはなるほど!と思うところが色々あるのです【エリア編】」 でしました。


その海外81店舗のブランドが気になるところですが、実は1ブランドだけなのです。

しかも基幹ブランドのPADINI(アパレル)ではありません。


彼らはアパレルではなく婦人靴&バッグブランドのVINCCIのみで海外に進出しています。

ではなぜアパレルではなく靴とバッグで進出したのでしょうか?




ヒントは進出先の中東にあり!

イスラム国ばかりの中東ではマレーシア以上に戒律が厳しい国が多く、
女性は外出する時はアバヤと呼ばれる黒い服で全身を覆わなければなりません。

アバヤと呼ばれる黒服に身を包んだ中東からの観光客(右)


もちろん、アバヤの下には色鮮やかな洋服を着ていますが、
外で友達に会った時にそれを友達に見せることは許されません。


でも、靴とバッグは別!


女性同士が外で会っても
足元はどんな靴を履いているかチラリと見えますし、バッグは普通に持って歩きます。

「靴とバッグ」は、イスラム教徒の女性が自分らしさを外で表現する数少ないアイテムなのです。

そんな事情もあって、アパレルではなく靴とバッグの1ブランド(VINCCI)に絞ったのではないかとマーケティング発想で想像します。



Vincci Ladies’Specialties Centre SBの業績
(左:20126月期IR、右:2013年6月期監査前速報 出典はBloomberg Businessweek 2013828日付)

売上 RM227.8百万(約68.3億円) → RM223.7百万(約67.1億円)

税引前利益 RM40.9百万(約12.3億円) → RM29.5百万(約8.9億円)

2012年度に18%あった税引前利益率が2013年度の速報値では13%にまで落ち込んでいるのが気になりますね。。

マレーシア商業マーケティング通信では、今後も引き続きこの企業に注目していきます。


2013年10月30日水曜日

PADINIの出店戦略にはなるほど!と思う点が色々あるのです 【エリア編】


マレーシアのファッションブランドPADINI
1971年に百貨店向け婦人服の製造卸で小さなビジネスからスタートした会社です。

多くのアジアブランドが欧米ブランドの製造工場からスタートしてノウハウを吸収し、
その後オリジナルブランドを打ち立てて独立拡大して行ったように、
PADINIIも最初は他社に製品を提供する製造工場が原点でした。

創業後数年でPADINI(アパレル)を、10年でVINCCI(靴&バッグ)などのオリジナルブランドを打ち立て、
卸から徐々に小売に参入し製造小売業にシフトしていった会社です。



マハテール元首相が唱えた東方政策(Look East Policy)が1981年ですから、
このブランドはマレーシアの成長と共に時代の流れに乗って成長してきたブランドだといえます。

1992年に最初の単独ブランド店舗をオープンしたのを皮切りにブランドを横展開で拡充
98年に株式第二部に上場、その後2004年に一部上場を果たしました。
海外事業への参入は、最も近場のブルネイからスタートし、積極的に進出しています。


選択と集中が明確な海外出店戦略
中国ではなく中東へ。ASEANと中東に絞込みながらも、既に新興国にも出店というしたたかさ

PADINIグループの全店舗数20126月期)

  • マレーシア国内 263店舗
  • 海 外  81店舗

総店舗数の24%が海外ということになりますので、海外もしっかり重視しているのがわかります。

海外81店舗の内訳20126月期)
  • タイ 16店舗
  • その他ASEAN 14店舗(※ミャンマー1店舗、カンボジア2店舗含む
  • ASEAN合計 30店舗
  • サウジアラビア 24店舗
  • UAE 13店舗
  • オマーン 2店舗
  • シリア 3店舗
  • カタール 2店舗
  • バーレーン 2店舗
  • パキスタン 2店舗(現在3店舗)
  • エジプト 1店舗
  • モロッコ 2店舗
  • 中東・北アフリカ合計 51店舗


マレーシアの人口は2855万人です。
いくら経済が堅調で2020年に先進国入りを宣言していて、人口ピラミッドがきれいな三角形で将来的な人口増加も見込めるとしても、現在は日本の22%しか人口が居ないのですから、
マーケットを拡大するには外に出て行くという選択肢になります。

注目すべきはその出店エリア。
PADINI HOLDIONGSのエグゼクティブダイレクター(役員)は全員華人系ですから、コミュニケーションを考えた場合、中国という選択肢が真っ先に浮かぶはずですが、彼らは中国市場を選びませんでした。
彼らはなぜ中国に行かなかったのでしょう。

彼らが選んだ先はASEANと中東です。でもこれはマレーシアに居ると自然な感覚。
マレーシアを同じイスラム国家の中東市場へのハブとして位置づけた場合、中東に進出するのは納得ですね。


マレーシアは中東諸国向けのショーケースという考え方
マレーシアは中東からの観光客やビジネスマンも多いので、
実際の距離よりもマインドディスタンス(心理的距離)はとても近い関係にあります。

イスラム様式の建築も多いマレーシア


世界地図を日本を中心に見るのではなくマレーシアを中心に見ると一目瞭然ですよね。
中東諸国がぐっと視界に入ってきますから。
これは日本を中心に世界地図を眺めているのではわからない感覚です。
そして、中東の先にはアフリカとヨーロッパが!見えてくるのです。

エジプトをモチーフにした
クアラルンプール郊外の商業施設
SUNWAY ピラミッド

2013年10月27日日曜日

マレーシアファッションを牽引する「PADINI」とは?


マレーシアにはPADINIというファッショングループがあります。
メイド イン マレーシアの製造小売業(SPA)です。

基幹ブランドのPADINIを柱に現在10ブランドを擁し、
主な商業施設には必ず入っているマレーシアで人気の超有名ブランドです。


記事 「マレーシアブランドの価値ランキング。その顔ぶれは?」 http://malaysiacommercemarketing.blogspot.jp/2013/10/blog-post_25.html にも記載したように、

ブランド価値の評価機関であるインターブランド社が実施した評価をもとに上位30ブランドに贈られる
Malaysia’s Most Valuable Brands (MMVB) に2009年と2012年の2回連続で入賞しているブランドの中に
アパレルブランドが2つありますが、そのうちの1つがこのPADINIです。

SEED

PADINI

マレーシアローカルのファッションブランドは他にも沢山ありますが、
このPADINIはどの商業施設に行っても1階やエスカレーター正面などの良い場所を陣取って目立っています。

まさにマレーシアのファッション業界を牽引しているのがPADINI、業歴も40年以上の上場会社の中身は!?


レディース・メンズ・キッズから服飾雑貨にカフェまで手がけるファッション企業 

2012年後半にスタートしたTIZIOを含めた10ブランドと、それらの複数ブランドを1つの店舗で展開するマルチブランド業態のPadini Concept Storeというラインナップです。
  • PADINI 会社名にもなっている基幹ブランド。シンプルフォーマル、スマートカジュアル。メンズ&レディースを展開。
  • SEED コンテンポラリーカジュアル。メンズ&レディース、キッズ、カフェを展開。
  • PADINI Authentics  ベーシックカジュアル。メンズ&レディース、キッズを展開。
  • P&Co ティーンズカジュアル。レディース展開。
  • PDI ベーシックカジュアル。メンズ&レディースを展開。
  • MIKI  キッズウェアを展開
  • VINCCI レディースシューズ&バッグを展開
  • Vincci Accessories レディースアクセサリー、ベルト、サングラス等の服飾雑貨を展開
  • TIZIO お姉さま系レディースアパレル&バッグ(2012年スタートの新ブランド)
  • BRANDS OUTLET メンズのスマートカジュアを展開。
  • Padini Concept Store 上記のブランドを複合展開するマルチブランド業態。


P&Co


グループ内でテイストやグレード、ポジショニングが重なるブランドも!? 
複数あるブランドのうち、例えばPDIPADINI Authenticsはとても似ているので、
タグを外すとどっちがどれかわからないと思います。

マレーシアのファッションは、店舗デザインなど環境でブランディングをしている部分が多く、実際の商品だけを見てブランド名を隠すとそのブランドだとわからないブランドが多いので、
この2つだけでないと言えばそれまでですが。。
PDIの方が若干価格帯が下のような気もしますが、この2つが今後どうなるかも注目です。

他のグループのよく似たブランドに商業施設の床を取られるくらいなら、
同じグループで店舗区画を埋めてしまおうという意味もあるのでしょうか。
でも判断するのは消費者。もしかしたら今後はスクラップ&ビルドして再編があるかも知れませんね。

では、これらのブランドを展開する持ち株会社Padini Holdingsの財務諸表をひも解いてみます。

売上高が日本円で約217億円ですから、
物価を日本の2.5~3分の1と仮定すると、
日本では東京デリカやハニーズと同じような規模感かも知れません。

今回は基本情報をおさえてから、興味深い出店戦略については後日お届けします!


財務諸表 (2012年6月期IRRM=\30

   【店舗数】
    国内 263店舗
    海外  81店舗

   【マレーシア国内のブランド別店舗数】
    Vincci,  Vincci+,  Vincci Accessories 35店舗(うちFC14店舗)
    SEED  58店舗
    PADINI Authentics  37店舗
    PDI  14店舗(うちFC1店舗)
    PADINI  39店舗
    P&Co   1店舗
    Miki Kids  30店舗
    Miki Mom  4店舗
    BRANDS OUTLET  19店舗
    マルチブランド複合店 26店舗
    (2013年はこれに新ブランドTIZIOが加わっています。)

   【PL】
    売 上   RM723,411,000 (217億円) 
    売上原価  RM374,821,000 (112.4億円)
    売上総利益  RM348,590,000 (104.6億円)
    販売費  RM174,812,000 (52.4億円)
    一般管理費  RM48,092,000 (14.4億円)
    営業利益  RM132,977,000 (39.9億円)

   【BS】
    現預金  RM137,612,000 (41.3億円)
    棚卸資産   RM192,285,000 (57.7億円)
    負 債   RM142,196,000 (42.7億円)

PADINI Authentics

PDI

2013年10月20日日曜日

マレーシア版クレアーズ!?アクセサリー「MIGO」


マレーシアにも安価で可愛いアクセサリーを売るショップがあります。
その1つがMIGO ACCESSORIES。

ピンクとレッドがテーマカラーのお店です。
取扱い商品カテゴリーは、ヘアアクセサリー、コスメティック雑貨、サングラス、ファンシーバッグ等ですが、全体に占めるヘアアクセサリーの比率がだいたい50%弱でとても高く、次いでコスメティック雑貨という構成です。

日本で可愛いアクセサリーショップと言えばクレアーズですが、整然と陳列された小さなアイテムが沢山見えるあたりは一見マレーシア版クレアーズという雰囲気。

ただクレアーズのようにハロウィン、クリスマスなどのシーズンアイテムの投入はまだまだこれからのようなので、今後どう進化するかが楽しみです。


クリスマスも普通に祝い、しかも祝日!というマレーシア
ちなみにマレーシアはイスラム教徒が最も多く、次いで仏教徒、ヒンドゥー教徒という順ですが、
キリスト教徒のお祭りであるクリスマスも日本と同じようにイベント的に祝います。日本ではクリスマスは平日なのに対して、マレーシアでは祝日というところも何だか大らかでいいですね~。

シーズンアイテムの投入で売場に変化が出るのももうすぐなのでは?




2013年10月8日火曜日

あの超有名ブランドと同じ傘下の 「La Senza」って?

マレーシアの様々なインナーブランドのうち私が注目しているもう1つのブランドはLa Senzaです。実はこのブランド、「ビクトリアズシークレット」やニューヨークの「ヘンリベンデル」を擁する米国のリミテッドブランズ社(本社オハイオ州コロンバス)が2007年に買収したカナダのブランドなのです。

広告表現は全てブロンドの欧米人モデルを使用
店舗数:マレーシア11店舗

リミテッドブランズ社の核事業を担う「La Senza」

またリミテッドブランズ社は、米国を代表するリミテッドやエクスプレスなどのアパレルブランドで80年代、90年代に栄華を極めた会社で本国では超有名。

しかし近年は本業の競争激化と不振により、創業者のレスリーウェクスナー氏が2006年末ついに「ビクトリアシークレットを中心とするランジェリーを核に事業推進をする」と投資家に発表、その直後の2007年に同社第二のランジェリーブランドとしてLa Senzaを買収したのです。

謂わばリミテッドブランズが本気で事業ドメインをシフトすることを対外的に印象付けたブランドがLa Senzaとも言えます。




ラセンザは黒髪、茶髪のモデルは一切使わず、徹底してブロンドの白人モデルによるイメージ発信をしています。

ショーウィンドウは、基本的にシーズン毎のコンセプトが打ち出されたブロンドモデルの特大ビジュアル+ボディが2~3体という、とてもシンプルな構成。またウェブとリアル店舗のイメージ統一も上手く図られており、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)のばらつきも少なく、ストアデザインの段階から売場のメンテナンスが簡単なように作られているのが特徴です。


セクシー!がわかりやすいストアデザインとウェブデザイン

また「セクシー」というコンセプトが直球でわかりやすいです。今後の課題はそのセクシーをどこまでやるか、本国で展開している商品をどこまでマレーシアでも取り扱い、どう広めるかという点だと思います。マレーシア商業マーケティング通信は、このLa Senzaの店舗数の伸びと共に今後も注目して行きたいと思います。


簡単な指示書で手入れできるショーウィンドウ。
店舗ごとのばらつきを最小限に抑えることが可能。








2013年10月7日月曜日

マレーシア発 上質なインナーブランド 「XIXILI」

マレーシアにはローカルブランド、日系ブランドも含めて様々なインナーブランドがあります。今日はその中からマレーシアのローカルブランドXIXILIについてお話します。

マレーシア発のローカルブランド XIXILI
広告表現は全て欧米人モデルを使用
店舗数:マレーシア42店舗

XIXILIは正しいサイズのブラジャーを身につけることでバストラインが上がりシルエットが美しくなることに感激した女性達が設立した会社です。ブランドモットーは『Uplifting you always(いつもあなたを持ち上げます:バストが上がると気分が高揚するを掛けています)』、また『パーフェクトフィット(Perfect Fit)』というコンセプトを打ち出して、正しいサイズを着用して窮屈なランジェリーから解放されようと謳っています。



 商品は、ステラ(Stella)、ミッシー(Missy)、バネッサ(Vanesssa)の3ライン構成で、2013のコレクションは2012と比べて若干おとなしめになっています。

ただこのブランドは店によってVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)とポスターなどの販促物の扱いがまちまちなので、店ごとにかなり印象が違います。

現地の人に人気の大手ショッピングセンターの店でも、ショーウィンドウのゴールデンスペースにマネキンが隠れて見えなくなる程大きくポスターが貼ってあったりしますし、新着アイテムなどの新鮮な商品(情報)が店頭から見えず、店頭から見えるのはセール品ばかりという残念なケースが見られます。

ブランドとして店づくりの標準タイプをどんな風に設定してイメージを発信していくのか、ウェブとリアル店舗のイメージ統一が今後どうなるかという点についても、マレーシア商業マーケティング通信では注目して行こうと思います。




2人入っても十分な広さの試着室

なぜ2人入っても十分な広さの試着室があるかという理由については、
『マレーシアファッションを10倍楽しむ方法http://malaysiacommercemarketing.blogspot.jp/2013/10/blog-post_4438.html に掲載しています。