2013年10月16日水曜日

マレーシア人の色彩感覚(2)


マレーシア人の色彩感覚。
マレーシア商業マーケティング通信では、マレーシア人の独特な色彩感覚にも注目しています。

どうしてこんなにも多種多様な色がマレーシアには混在し、氾濫しているかという理由をいくつか考察してみます。

今回はマーケティング発想で考えられる理由、そして次回(3)では、マレーシア商業マーケティグ通信が足で稼いだ独自の見解を投稿します。

ご存知のようにマレーシアはマレー系、華人系、インド系などの多民族国家。
それぞれの民族にはそれぞれの宗教、古くから受け継いできた文化や慣習があり、それらを互いに尊重しながら成り立っている国、それがマレーシアです。


各民族に根付いた色がある。しかも微妙な違いが!
各民族の心の奥底に根付いている謂わばソウルカラーはとても沢山あると思いますが、その中でも代表的な色は緑、青、赤、黄色です。

・・・グリーンはイスラム教の預言者ムハンマドのターバンの色とされ、聖なる色とされておりイスラム教徒のマレー系の人の心の奥底にしっかりとある色とも言えます。

・・・青はイスラム寺院の屋根やタイル、イスラム様式の建築物に多く使われている色です。
またマレーシア警察のシンボルカラーであり、制服の色でもあり、警察官舎の屋根にも青が使われていますので、生活していてよく出会う色です。
さらにマレーシア国旗にも青が使われており、国民の団結を表しています。



・・・華系のソウルカラー。仏教寺院の赤、春節などの祝い事をする時の赤など、
華僑系の人の生活の多種多様な場面で赤が出てきます。
そして、もちろんマレーシア国旗にも赤が使われていますし、マレーシア国花はハイビスカスなので、華僑系に関わらず赤はとてもポピュラーな色です。

赤と一言で言っても、華系の赤とマレーシア国旗の赤、ハイビスカスの赤は全て違うバリエーションになります。こんなところからも多種多様な色の氾濫は理解できますね。



・・・インド系の人々はヒンドゥー教徒が多く、ヒンドゥー寺院に参拝時はジャスミンの花飾りを奉納する慣習があることから、ヒンドゥー寺院周辺では黄色いジャスミンの花が大量に売られており、生活の中に溶け込んでいます。

また、インド系は主にイギリス統治下の時代にインドから第一世代が来て現在親が2世代目で子供が3世代目、あるいは現在2世代目という人が多く、出身国であるインド国旗にはサフランイエローと言われる赤みがかったイエローが使われていることからもイエローは馴染みの色と言えます。

そして、イエローはマレーシア王室の色でもあります。
マレーシア国旗の星と月はイスラム教の象徴であり、王室カラーのイエローになっています。

ジャスミンイエロー、サフランイエロー、王室のイエローは同じイエローでも全部微妙に色調が違います。

フルーツもとてもカラフル。果物屋さんの屋根はグリーン。
生活の中に出てくる色が多種多様なマレーシア


このように各民族に深く根付いている色があって、
同じ色でも微妙に色調が違うことから、1つの商品が1型で何色も展開が出てきてしまうのではないかと考えます。

四季折々の自然豊かな日本に暮らす日本人はとても繊細な色彩感覚を持っていますが、
もしかしたらマレーシア人は日本人以上に同色の微妙な違いに敏感なのかも知れません。


0 件のコメント:

コメントを投稿