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2015年7月15日水曜日

日本の常識はアジアでは通用しない話 【航空券キャンセル編】

先日ジャカルタ行きの航空券をマレーシアで買ったときの話です。

ガルーダ・インドネシア航空のチケットを買ったところ、予定より2時間遅れて出発するとの連絡がありました。
空港に行ってから待たされるより、出発前にわかってラッキーです。

ということは2時間遅れで出発する保証はないと考え、
それより1時間早く出発するマレーシア航空のチケットを即手配し、
ガルーダのチケットをキャンセルする連絡をしました。

機体が遅延するのでキャンセルしたのだから、当然その時点で返金されると考えるのが普通の日本人的感覚。
しかしここは何でもありのマレーシア。

キャンセルの電話をした時に、念の為に聞いてみた。
私: 『Refundはいつされますか?』

するとガルーダのマレーシア基地の担当者から意外な一言が!
ガルーダ担当者: 『Refundをご希望ですか?』 (えー、マジー!?何それーー!)




キャンセルと返金は別という考え方がある

もちろん返金を希望すると言ったところ、電話では返金申し込みはできないので、
返金の手続きをメールでするようにとのこと。

そして、その手続きが挫けそうになるくらい手間がかかるのです。(これが狙いか!)
返金を希望する旨をメールで申し出て、そのメールに予約番号や、パスポート番号、クレジットカード番号や、クレジットカードアドレスなどの詳細情報をもれなく記載せよと・・・。

しかも、手数料が引かれて全額返金されない!
時給を考えたらこっちだって手数料が欲しいと言いたいくらい・・。
2時間遅れでも乗れというのが航空会社の考え方。
手数料引かれても早く行きたい人だけ他に乗って下さいということなんです。

ここまで聞いてキレそうになる気持ちをお釈迦様と聖母マリアを同時にイメージすることでなんとか抑え、
ケンカしても仕方ないので大人しく従うことに・・。


そうなんです!
一旦懐に入ったお金はよっぽどでなければ返ってこないのがアジアの常識 なのです。


結局言われた通りのメールを出し、ガルーダからメールを受け付けたという返信が後日ありました。
これで一件落着と思いきや、油断大敵!

メールの内容をよく読むと、メールを受け付けましたというガルーダからのメールを確認しましたということを、
こちらから返信をして初めて返金手続きが開始されるということでした。
ここまで来ると立派!この強い姿勢、尊敬します。
多分、この時点でメールをよく読まないで返信しないで返金しない休眠者が何パーセントか出るのでしょう。


【常識を疑うこと、そして確認するプロセスを省くとアジアでは損をする】

しかもこの話、別のオチがあります。
ガルーダが2時間遅れるということで、それより1時間早いマレーシア航空のチケットを手配して、ガルーダのチケットをキャンセルした後でマレーシア航空から連絡が!(思い切り悪い予感・・)

ガルーダに輪をかけてマレーシア航空は3時間遅れるとのこと。
根負けしそうになりましたが、マレーシア航空はキャンセルと全額返金に応じるということなので、結局2時間遅れのガルーダのチケットを再度購入して飛びました。

最初のチケットのキャンセル料分だけ高いチケットを買うことになりましたが、
2時間遅れで無事にジャカルタに到着しました。

結局のところ、返金を申し出ることなく、時間に追われることのない人間にならないとって思います。


2013年10月9日水曜日

よくある店頭シーン「最適化」を考える


ローカライゼーションという言葉があります。
「現地化」という意味のこの言葉、私は常に頭に入れています。

マレーシアから見ると私は外国人。
その外国人の私が日本の価値観を一方的に押し付けることはマレーシア人にとって苦痛でしかありません。私がコンサルティングをする上で常に念頭に置いているのは、良いものや良いことをマレーシアの人に伝えながら、いかに最適ローカライズするかという点です。


郷に入れば郷に従いプラスαをどう付加するか
世界のさまざまな国に進出した日系企業が、日本の常識や価値観でそのまま進めようとして失敗し、現地との認識の違いや時期尚早だったなどという言い訳を理由に撤退するケースもありますが、郷に入れば郷に従え、マレーシアにはマレーシアのやり方があると私は思っています。

現状を打破して今まで通りのやり方を進化させるには、プラスαをどう付け加えて最適化していくかということになります。

そのためには、その国の人の考え方や習慣、どんな伝え方が受け入れ易いかをいかに理解しているかが重要なのは言うまでもありません。また、それらを尊重しながら最適な形で新しいことを根付かせて行くのは容易ではありません。




マレーシア商業マーケティング通信では、ブランドやショップだけでなく、そこで働く人やその動きにも注目しています。



マレーシアでよく見る店頭でのお客様待機
写真はマレーシアの商業施設でよく見るシーンです。
店頭入口を塞ぐようなお客様待機は、歩いていて本当によく出会います。

これらの写真はどれも現地で人気のショッピングセンターには必ず入居している有名テナントです。日本なら有り得ない待機姿勢ですが、通路の歩くお客様を一人でも多く取り込もうとどのテナントも必死!

同一カテゴリーが同じゾーンに配置され、同業者が隣接したり向かい合わせのテナント配置になっていることが多いマレーシアでは、隣が立つならうちも立つ、そんな連鎖反応のようにも見えます。




先日、マレーシアでセミナーの時にこの写真を皆さんに見せてどう思うか尋ねたところ、ある物販テナントの役員が即座に言いました。「こんなのマレーシアでは普通!みんなこうだよ。」と。

しかし小さなことからコツコツと!既に取り組みは始まっています。
3年後、5年後、マレーシアで写真のような待機が無くなっていることを夢見て!

この入口塞ぎ型・通せんぼ待機を彼らがどう考えどこに落としどころを持ってくるか、待機一つとっても最適現地化という視点は欠かせないと思います。今後も根気よくやるしかないですね。