マレーシアの人口の約6割を占めるイスラム教徒であるマレー系の人々は、毎年1ヶ月間の断食をします。
毎年カレンダーによって7月から8月のある日程で行い、日の出から日没までの太陽が出ている時間帯は一切の飲食をしないというスタイルで断食をします。
この時期はマレーシアの国全体でパフォーマンスが若干落ちる時期でもあります。商業施設に行くと疲れた顔をした店員さんが椅子に座っているのも珍しくありません。この10年毎年ラマダン月を見ていますが、仕方ないと思います。なにせ、夜明け前に食事をしてから、日没まで何も飲まない&食べないのですから・・。
ラマダン中の商業で最も売れるものは何か?ずばり飲食です。
この時期はハラールフード(イスラム法上で許されている食べ物)を提供するレストランは日没後人で溢れかえります。もちろん、その時間帯は商業施設に行っても閑散としたもので、物販ゾーンにはほとんど人がいません。皆飲食ゾーンに大集合です。
ラマダン時期はハラールの飲食業は稼ぎ時です。
各ホテルでも毎日の日没時刻に合わせて、ラマダンビュッフェを提供し、それが年間売上の大きなウエイトを占めます。普段ビュッフェをしていないホテルもこの時期はラマダンの特別メニューで勝負します。もちろん、イスラム教徒以外も入店可能ですから、毎年このビュッフェを楽しみに家族や友人同士で行くのです。
日没前からレストランは空腹でふらふらになったマレー系の人で混雑しはじめ、皆バイキングで山盛りになったお皿を前にじっと我慢の子で着席。静かに日没の時間を待ちます。そして日没時刻になると・・・・・レディーーGO!!という感じで、一気に食べます。この時期のイスラム教徒の皆さんの食べっぷりの凄いこと! 皆食事ができる喜びで溢れ、とても活気ある時間です。
獲物に群がるピラニアのように、次々とビュッフェの器が空になっていきます。
そのすごいこと。一度は日没直後のラマダンビュッフェを経験してみるのも良いと思います。
ラマダン中にKL(クアラルンプール)のThe Majestic Hotelに滞在し、このホテルのラマダンビュッフェを体験しました。
日没直後の混雑時は避けて、マレー系の皆さんのお腹が落ち着いた午後8時過ぎに行くと既に宴の後という状態で・・。
ここのビュッフェはマレーシアの中でもかなり高級な部類に入ります。マレー料理、インド料理、タイ料理、日本料理、イタリアンとざっと100種類。
下の写真真ん中やや左にあるオレンジ色の釜はインド料理のタンドリー釜。
でも空の器がすでにたくだん・・・遅かった。
マレーシアの商業を考える上で、イスラム教はもちろんのこと、このラマダンを実際に見て食べて感じて理解することは必要不可欠だと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿