PADINIグループの2012年6月期の全店舗数は344店舗。
そのうち81店舗が海外。
しかし、中国市場は狙わずに中東とASEANに絞り込んだ戦略は日本人からすると一見ユニークというお話を
「PADINIの出店戦略にはなるほど!と思うところが色々あるのです【エリア編】」 でしました。
その海外81店舗のブランドが気になるところですが、実は1ブランドだけなのです。
しかも基幹ブランドのPADINI(アパレル)ではありません。
彼らはアパレルではなく婦人靴&バッグブランドのVINCCIのみで海外に進出しています。
ではなぜアパレルではなく靴とバッグで進出したのでしょうか?
ヒントは進出先の中東にあり!
イスラム国ばかりの中東ではマレーシア以上に戒律が厳しい国が多く、
女性は外出する時はアバヤと呼ばれる黒い服で全身を覆わなければなりません。
アバヤと呼ばれる黒服に身を包んだ中東からの観光客(右) |
もちろん、アバヤの下には色鮮やかな洋服を着ていますが、
外で友達に会った時にそれを友達に見せることは許されません。
でも、靴とバッグは別!
女性同士が外で会っても
足元はどんな靴を履いているかチラリと見えますし、バッグは普通に持って歩きます。
「靴とバッグ」は、イスラム教徒の女性が自分らしさを外で表現する数少ないアイテムなのです。
そんな事情もあって、アパレルではなく靴とバッグの1ブランド(VINCCI)に絞ったのではないかとマーケティング発想で想像します。
Vincci Ladies’Specialties Centre SBの業績
(左:2012年6月期IR、右:2013年6月期監査前速報 出典はBloomberg Businessweek 2013年8月28日付)
売上 RM227.8百万(約68.3億円) → RM223.7百万(約67.1億円)
税引前利益 RM40.9百万(約12.3億円) → RM29.5百万(約8.9億円)
2012年度に18%あった税引前利益率が2013年度の速報値では13%にまで落ち込んでいるのが気になりますね。。
マレーシア商業マーケティング通信では、今後も引き続きこの企業に注目していきます。
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