2013年9月13日ニールセンからスマートフォンインサイトレポートが発表されました。
アジア太平洋地域の9か国におけるスマートフォンの利用動向に関する興味深いデータです。その中から、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンのアセアン5か国と中国・香港を抜粋し、独自の視点でマレーシアを中心に考察しました。
(プレスリリース http://jp.nielsen.com/site/documents/NielsenSPI_Release_20130913.pdf )
(プレスリリース http://jp.nielsen.com/site/documents/NielsenSPI_Release_20130913.pdf )
1.スマートフォン普及率(スマホと非スマホの比率)
スマートフォン普及率は、香港とシンガポールがダントツの87%という普及率、次いでマレーシア(80%)中国(70%)。これら4国で既にスマートフォンは非スマートフォンを上回っていますが、インドネシアとフィリピンでは、圧倒的に非スマホが主流で、スマートフォンの価格と収入とのバランスから購入可能な人がまだ限られているということなのかも知れません。マレーシアの80%という結果は隣国シンガポールに迫る数字で、どの携帯ショップに行ってもスマホだらけという販売現場の実情ともよく合致した数字だと思います。マレーシアは中古品市場が活発で、日本で言うドコモのような携帯キャリアショップに行っても、普通に中古のスマホを売っているので、新品を買いたい人は必ず新品かどうかを確認しないと、中古品を掴む羽目になるほどです。
【スマートフォン普及率】 (出典:ニールセン プレスリリース2013/09/13) |
2.携帯電話複数台所有率 (1台持ちと複数持ちの比率)
次に携帯電話の複数持ちの比率は、マレーシアが他国を圧倒する47%という数字です。自分の周りに複数持ちの人がいるか考えると、すぐに何人もの顔が浮かぶほどです。仕事用とプライベート用を分けている人、本業用とサイドビジネス用を分けている人、スマホと非スマホの2台持ちという人も多いですから、この数字は強ち嘘でないような気がします。
【携帯電話複数台所有率】 (出典:ニールセン プレスリリース2013/09/13)
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ちなみに、モバイル契約数の数字にスマホ普及率を掛けてスマホ普及台数を算出してみると、中国(7億)、シンガポール(675万)、マレーシア(2933万)、タイ(3803万)、インドネシア(5746万)、フィリピン(1413万)という数字になります。
次に各国の人口と比較してスマートフォンの人口カバー率を出してみると、シンガポールがダントツの130%、次いでマレーシアはほぼ1人に1台の102%という結果になりました。マレーシアは携帯に占めるスマホ率が80%で、そのスマホの人口カバー率が102%な上に携帯の複数台持ちが47%です。複数台持ちの非スマホの人がスマホに買い換える需要を考えると、隣国シンガポールのカバー率130%くらいまでは行くような気がします。
【モバイル契約数から算出したスマートフォンの契約数と人口カバー率】
(モバイル契約数データ出典: 香港、シンガポール、マレーシアはITU-World
Telecommunication/ICT Indicators Database, June 2012、それ以外の国:世界経済のネタ帳より抜粋)
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3.タブレット所有率 (対前年比)
タブレット端末の所有の前年比は、香港の57%というダントツの数字を除くと、シンガポール(47%)、中国(45%)についでマレーシアは42%で、前年のほぼ2倍の伸びです。
確かに東京よりもマレーシアの方が商業施設やオフィス、レストランでタブレット端末を持っている人を沢山見ます。マレーシアはフリーのWi-Fi環境が日本よりも整っています。商業施設内の主だったレストランではだいたいフリーのWi-Fiが繋がりますし、路面のレストランでも人気店はほとんどフリーのWi-Fiが使えますので私も便利に使っています。去年よりも今年の方がWi-Fiが繋がる店が増えたことも、タブレット端末の所有率の伸びに繋がったと思います。またWi-Fiが繋がることがお店を選択する基準に多いに貢献していますので、今後更に環境は整えば、この数字は香港なみの60%近くまで行く可能性もあるように思います。
【タブレット端末所有率】 (出典:ニールセン プレスリリース2013/09/13)
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※この続きは『ニールセン アジア太平洋地域のスマートフォン最新利用動向』 を商業マーケティング的に読む 【2】に掲載します。
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