2015年9月19日土曜日

三井アウトレットパークKLIA 視察レポート1

マレーシアの独立記念日である8月31日。
イギリスから独立を勝ち取った記念すべき祝日に視察しました。
そんな好材料も後押ししてかモールの中は人、人、人。駐車場もほぼ満車。

このアトリウムの上をジャンボ機が低空飛行する景色も空港立地ならでは。

KLIA・KLIA2の両方から無料シャトルバスが出ています。
写真はKLIA空港内のサイン。お金とコネがあれば空港にもサインが設置できてしまうマレーシア。

三井アウトレットパークKLIA行バス時刻表。だいたい1時間に3本の頻度。
空港からアウトレットに向うバスの中で繰り返し流れるアウトレットモールのプロモーション動画で購買欲を刺激。
バスの中から顧客体験は始っています。
もちろん、バスの中はキンキンに冷えています。

バスは入口の真横に到着。モール内のエアラインチェックインカウンター、荷物預かりとも一番近いリレーション。

物販テナントもちゃんと集客できているのが強み

ショッピングモールの開業時期は、ぶらぶら歩くだけの地元客が飲食とスーパーに集中し、
物販はパラパラというパターンが多いですが、ここは物販もよく集客しており、
しっかり買物するリアル顧客が多いというのが率直な感想。
さすが首都KL、やっぱり商業は商圏次第、ジョホールとは違うなと実感しました。

この立地で飲食が充実しているのは当然ですが、搭乗時間まで余った時間を潰さなければならない人にとってはとてもありがたいですね。

https://www.mitsuioutletparkklia.com.my/



ラグジュアリーは最低限に抑え、お馴染みの人気ブランドで構成

アウトレットと言っても日本人がイメージするラグジュアリーブランドはほとんど無し。
これが今のマレーシアの現状です。

バリー、ボス、ゼニア、ラルフローレンというグレードで、その上のブランドは一切なし。
その代わり、マレーシア人がちょっと背伸びをしていつかは買ってみたいなと名前だけ知っていたブランド、
よく行くショッピングモールでいつも見ているお馴染みのブランドが沢山あるのも
ローカル顧客には受け入れやすく親しみやすい構成です。

シンガポールからの集客も見込める他社経営のJPO(ジョホールプレミアム・アウトレット)にはあって、ここにはない
ラグジュアリーブランドがあるのは、既存店と同一商圏という近さも影響していると思いますし、
一般のマレーシア人に欧米のラグジュアリーブランドがほとんど認知されていないのも理由の一つ。

また更に上のラグジュアリーブランドがないのは、
ブランド側からしても中国人や中東の観光客がプロパーで山のように買っていくので、
わざわざアウトレットに出店する必要がないということでしょう。



日本のファッションブランドはここでも弱し

あと日本のファッションブランドは存在感ゼロでした。
あれだけ人で溢れていたモールの中で一人もお客様が入っていない悲しい店が日本ブランドというのが、
俗にいうナショブラ(ナショナルブランド)の置かれた現実を物語っているのではないでしょうか。

百貨店のインショップ中心の出店戦略およびECと併せたリアルショップのアジア展開を積極的にしていなかったから仕方ありませんが、もう時既に遅しという感じです。

かばんのエースやオニツカ・タイガーなどうまくアジアシフトしているブランドにはちゃんと集客できていたのがすごくわかりやすい。
日本の小売業の歴史と共に歩んできたファッションブランドのプレゼンスがないのは
同じ日本人として悲しい現実であり、自分も役に立って行きたいと思います!


入場者が多い日に入店客がいないテナントは悲しい限り。是非がんばっていただきたい!

まずはアウトレットを体験してもらうこと、その先にある第2フェイズに期待

アウトレットという業態そのものの認知度がほとんどないマレーシアで、首都クアラルンプールに出来たアウトレットですから、まずはアウトレットを体験してもらうことにも深い意味があります。

そして顧客体験が一通り済んだ時点でのブランドの入れ替えおよび増床もこれからの見どころです。
(↓本文は下にもあります。)


ラグジュアリーブランド バリー

ポロ・ラルフローレン。こちらではラグジュアリーの位置づけで展開

各SCでお馴染みの人気ブランド トップショップ

各SCではお馴染みのドロシーパーキンズとミスセルフリッジ。
こちらのブランドは知っていたけど今まで買えずにいたので、
アウトレットなのでちょっと背伸びして買ってみようという反応の地元っ子も多いはず。

アジアでお馴染みのスーパードライ。極度乾燥しています!も人気。

マレーシア版サマンサタバサのカルロリノ




あくまでも処理能力とセキュリティーの理由!?入場制限のナイキ、リーバイス、アディダス

でもロープを張って入場制限するナイキやアディダスは久しぶりに見たような気がします。
店の広さに対してもっとお客を入れてもいいだろうに、と思いつつ
ここマレーシアでは、ショップ側の処理能力とスピードとの関係でそうしているのでしょうが、
かつて百貨店の地下で御座候(どら焼き屋さん)が
鉄板の稼働を下げて意図的に行列を作っていたのを何となく思い出しました。


私がこのモールを訪ねた理由でもあり、最も見たかったブランド、
注目のショップに関しては次回の投稿で詳しく!

いずれにせよ、今後も継続して定期的に見ていきます。

なぜか入場制限のナイキ
こちらも入場制限のリーバイスストア

入場制限ブランドの中で一番人気はアディダス。
だからと言って店内がごった返している訳ではありませんが・・。